黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『蛟堂報復録』鈴木麻純(アルファポリス)

2009-10-12 | 読了本(小説、エッセイ等)
漢方薬局兼雑貨屋の<蛟堂>の12代目店主・三輪辰史は、その裏では、人の恨みに対する報復を大金で請け負う“報復屋”を営んでいる。
そんな彼の元に居候しながら世話を焼いている、大学生の甥の岡本太郎。
ある日、彼らの元に来た依頼人の女性・小石川佐紀。彼女を騙し、結婚式当日に姿を消した男・末永崇之に報復したいという。
辰史は太郎に、鬼堂六が営む隣の古書店<幻影書房>…強い想いを込められて思念を宿してしまった本や、曰く付きの本ばかりを扱う本屋…にある本の中から、『道成寺』を崇之の元に届けさせ……第一話 清姫、
年の離れた妹と祖父の家で暮らす少年・小林葵は、祖父の金を勝手に持ち出し、友人たちとの遊びに使う日々。
老人を見るといらだつ彼は、傍若無人にホームレスの老人に暴力を行使する。
一方、幻影書房のバイトの青年・名島瑠璃也が店番をしていると、そこへ店の常連客である小林翁の孫である茉莉がやってきた。祖父は10日程前に骨折し、入院したという。祖父は自分で転んだというが、茉莉は兄はやったのではないかと疑っているという。そんな彼女に蛟堂を紹介し……第二話 ピノッキオ、
塾講師の秋庭誠二は、街角で男と一緒にいる恋人・千尋の姿を見かけ、動揺。そんな彼は月の下で恋人を怒らせたと悩む、稲荷運送の天月比奈に出会い、互いに悩みを語る。
一方、これまで恋人ができなかった瑠璃也が、大学で隣の席の橋本千尋につれ回されていると知り、心配する太郎。
そんな中、瑠璃也のバイト先に遊びに行くと言い出した千尋は、たまたま出逢った鬼堂から『竹取物語』を預かり……第三話 赫夜姫 を収録。

報復屋という裏稼業を営む蛟堂の三輪辰史。彼の元に舞い込む依頼の数々を描いた怪異譚。
割と好きなタイプのお話ではあるのですが、ちょっと書き切れてない感が…。
陰陽道の天才、という設定らしいのですが、あまりそれっぽい表現が見えない感じだし。
いろんな物語作品に準えて…というのは面白いのですが、毎回本を使うんだったら、最初から主人公を古本屋さん設定にした方が良かったような……。
……何はともあれ、今後に期待、かな。

<09/10/12>