黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『ねずみ石』大崎梢(光文社)

2009-10-16 | 読了本(小説、エッセイ等)
今では小池町の中のひとつの地区でしかないが、長いこと神支村と呼ばれていた集落に暮らす、中学1年のサト(土井諭大)。彼には、中学に入ってからできた仲の良い友達・セイ(山田誠也)がいる。そんな彼らが話していると、ひとりの刑事がやってきて、事件について何か思い出したかを訊ねた。
4年前、サトが小学3年の秋の祭の晩、村はずれの尾ヶ滝という小さな滝のそばに住んでいた、女子高校生・三島理恵とその母が殺害されるという事件が発生。折りしも、村に伝わる子どもたちのイベント<ねずみ石>…願いを叶えてくれる石…探しの最中だったサトは、幼馴染で2つ上の渡内修平と一緒にいたが、その途中で道に迷い、翌朝発見されたのだが、何故かその夜の記憶を失っていたのだ。……そして事件は未解決のまま現在に至っており、刑事は彼が何かを見たのではないかと思っているのだった。
そんなある日の学校帰り、青年団のひとりで親しい青年・玉置憲夫に呼び止められたサト。事件の時に、何かを見たのではないかと、刑事同様に問う玉置。しかし、彼はサトが記憶を失っているということを知らない様子。
その言動を不審に思ったサトたちは、彼らと事件の関わりについて調べはじめる。その中で、彼と修平の兄で素行が悪いと評判だった繁樹と、亡くなった理恵とは同級生で、理恵は繁樹と付き合っており、事件の時にも繁樹が容疑者として疑われたという話をきく。その繁樹のアリバイを証言していたのが玉置だったのだ。
その後、再び玉置に会ったサトが、彼に記憶の件を告げると、何故か誰にも言わないようにと念を押す。ところがそんな玉置が……

4年前の、ある一夜の記憶をなくした中学生・サトが、友人のセイと共にかつての事件を追う青春ミステリ。
若干人間不信に陥りそうな、微妙にほろ苦な展開でしたが、ラストはわりとさわやか?

<09/10/16>