黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『匂いの記憶』日向蓬(角川書店)

2007-06-27 | 読了本(小説、エッセイ等)
父の転勤で、東北の大平良町に引っ越してきた少女・飯田理恵子は、そこで出会ったひとりの少年・佐々木保に淡い想いを抱く……『涙の匂い』、
恋人・真一との結婚を前に複雑な心境の小夜子。よくよく考え、結婚の取りやめを申し出るが……『トリガー』、
ふいに嗅いだコールタールの匂いが、30年前の“町”の風景を、そして母の姿を思い出させた……『コールタール』、
整形手術を受けている多美恵は、自分によく似ていた醜い母のことを思い出していた……『三面鏡』、
器用に何でも直してくれたじいちゃん。しかしある時を境に様子がおかしくなり……『糸とんぼ』、
夫を亡くし、生まれてくりはずだった子どもさえなくし、ただ抜け殻のように暮らす、日々機械的に仕事をこなすオペレーターであるわたし。ある晩から隣に2人で暮らす母子が気にかかり……『あたらしい朝』の6編収録の短編集。

匂いにまつわる記憶を描いた短編集。アンソロジー『SWEET BLUE AGE』で『涙の匂い』だけは既読でした。
この作品集の中では、これがやはり良いかな~。

<07/6/27>