黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『絵小説』皆川博子(集英社)

2006-08-22 | 読了本(小説、エッセイ等)
ねえやに連れられ外出した少年・迪夫は、、蝋燭屋の娘・冬に出逢う。筆談で交わす会話。彼の中で、蝋燭を赤く塗る人魚の童話と外国の人魚の物語のイメージが交わり……『赤い蝋燭と…』、
15歳までの生を繰り返しては海に還る少女。その度に出会う“彼”の血だけが彼女に悦楽をもたらす……『美(うるわ)しき五月に』、
喘息の持病を持つ娘の転地療養の、東京に夫を残し、娘と共に夫の郷里へやってきた“わたし”。そこで、居心地の悪さ、漠然とした不安、何と言いあらわしたらいいか分からない感情に捉えられ……『沼』、
母が亡くなり、父の元に引き取られた少年。異母姉は、気が向くと薄気味悪く厭な感じの残る本を彼に読み聞かせ……『塔』、
父は亡くなり、母は再婚。祖母たちと暮らす少年。叔父と叔母の蔵書を密かに読み耽っていた……『キャラバン・サライ』、
祖母に連れられ温泉に連れてこられていた少年。ある日、墜死したブランコ乗りにも似たのびやかな顔の女に出会い……『あれ』の6編収録。

皆川さんの選んだ詩篇に、宇野亞喜良さんが絵を描き、さらにそれをモチーフにした小説を…というスタイルで書かれたようです。
とてもうっとりな一冊♪
個人的には『美しき五月に』がお気に入りvv

<06/8/22>