Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

Google TVでリアルな視聴者数が分かる?

2010-08-19 21:43:19 | Thinkings

 テレビは一方通行のメディアです。地デジになって、少しは状況は変わってきましたけれど、概ねは昔のまま。テレビ局はただ電波を流すだけですので、その電波が実際に受信されてるのかは確かめるすべはありません。
 そこで、一部の家庭に「現在見ている番組」を調べる機械を取り付けて集計することで、視聴率を統計的に出しています。また、投書やウェブでの話題を分析することでも、視聴の傾向を知ることが出来ます。

 しかしながら、もっと直接的な方法で「視聴者数」をはじくことは出来ないでしょうか?

 もしかしたら、その願いをGoogle TVがかなえるかも知れません。

 いま徐々にその全貌が明かされようとしているGoogle TVとは、”テレビ一機能として”提供されるGoogleのサービスで、具体的にはテレビ番組をウェブ上の情報と同じように検索できるようになると言う機能です。・・・日本みたいにチャンネル数が少ない場合はテレビ欄で足りますが、アメリカみたいにCSが一般化していると、見たい番組を探すのも一苦労。その労力を解消しつつ、同時にウェブの情報も調べようというコンセプトの製品です。
 乱暴にいえば、「テレビ番組をウェブコンテンツと同列に持ってくる」製品だと言えます。

 となると、「Google TVは常にウェブにつながっている」のに加えて「検索その他のサービスを提供するため、情報を常に収集している」訳ですから、Google TV搭載のテレビで見ている番組、検索トラフィックで見る気になった情報がリアルタイムで収集できるようになります。つまり、視聴率なんてモヤモヤした情報ではなく、「この番組を見ているのは全国で200万人」とかいうリアルな数字が出てくるわけです。・・・あくまでGoogle TVが十分な数だけ普及すればの話ですけれど。

 ただ、そのようなリアルな数字をテレビ局は恐れているという指摘もあります。

Google TVという列車に乗りたがらない放送会社たち–説得に苦慮するGoogle TechCrunch

誰が何を見ているか、誰も知らないから、魔術が通用する。ニールセン(Nielsen)が提供するのはあくまでも統計的データだから、その予測や推計は、リアルなデータの威力の前で氷のように砕け散る。絶対的に言えるのは、放送会社は、America’s Fattest Bachelor Dance Offを本当は何人の人を見ているか知りたくないということ。Googleは、Fix My House Please Because I Am A Real Life Housewife of Scrantonを毎週1万人の人しか見てないことを、世間に公表する。するとそのコマーシャル枠を、どこが買うだろうか?

 つまり、リアルな視聴者数が分かると、「その時間帯のコマーシャル枠がどれくらい人数にリーチするのか」が。また、Google TVのユーザー情報から「果たして、そのコマーシャル枠は自社の製品と相性が良いのか」がすぐに分かってしまう訳です。そうなると、自ずと「コマーシャル枠の本当の市場価値」が見えてくる訳で。深夜番組とか早朝番組とか、録画状況まで分かると、下手するとゴールデンでもとんでもない混乱が起きるかも知れませんね・・・

 これによって、コマーシャル枠の価格の暴落が起きると元記事では類推しているようですけれど、それが本当に良いことなのかはわかんないなあ・・・。低予算の番組しか作れなくなって、テレビがますます衰退してしまって・・・そんな未来は正直来て欲しくない様な気がする。