Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

プライバシーを自ら投げ出す人々

2010-08-23 23:50:45 | Thinkings

 日本人は、欧米人に比べるとプライバシーに対する意識が低い(CNET)、なんていう話があります。なんでも、ネットでのプライバシー漏洩のリスクに対してブラウザの設定を変えるとかの対策をとらず、個人情報保護をサービス提供側に丸投げする傾向が強いんだとか。確かに、セキュリティ対策ソフトを期限切れのまま放っておくとか、プライバシー・・・と言うか情報セキュリティに対するコスト意識はずいぶんと低いような印象を受けますが・・・

 でも、こんな物を見てしまうと、それだけで本当にそんなことが言えるのか?と改めて疑問に思いますね。

Facebook友だちがあなたを見守っている ― 世界は1984に近付いたのか? TechCrunch

ジョージ・オーウェルの小説『1984』は、主役のウィンストン・スミスが「偉大な兄弟があなたを見守っている」と書かれたポスターを見ている場面から始まる。2010年、これが「FACEBOOKがあなたを見守っている」に置き換わるかもしれない。いや、「FACEBOOK友だちがあなたを見守っている」の方がいいかもしれない。Facebookでは、ユーザーの選択によって、現在位置を自分または友だちが投稿して、その情報を共有できるようになった。

 簡単に言えば、Facebookのアカウントと位置情報を紐付けるサービスです。許可さえするならば、Facebook上の友人たちは、その人がどこにいるかを「常に」把握することが出来る訳です。・・・ある意味、究極の駄々漏れじゃないですか?

 もともとFacebookを初め、アメリカにおいては実名でサービスを利用している人たちが多いです。Twitterにしろブログにしろ・・・そういう状況になれきってしまった一部の人たちは、「その人の名前で検索して、ブログやFacebookで人となりを確かめてからでないと、会って話をしたくない。どんな人か分からないから」なんて言っているほど。どんな人か分からないから会って話をするんじゃないの?そんな人たちと比べてプライバシーに対する意識が低いなんて言われたくないなあって、正直思います。

 でも、近い将来日本でも同じような事が起こるかも知れません。Twitterにはすでに位置情報サービスがあるし、Facebookは日本ではちっとも普及していないけれど、それをmixiやモバゲーに置き換えて見ると、今どういう状況にあるかすぐに分かりますよね。SNSのユーザーは、これまで以上に注意深く、サービス運営元の動向に気を配り、共有する情報やTwitterのつぶやきにも気を配らないといけない。当たり前の事ですけれど、サービスの利用が気軽すぎて忘れてしまう場合もあるでしょうから。

 自らの弱点であるとか、プライベートをさらけ出して他の人と共有するのは、連帯感も生むけれど、リスクも同時に生むことになります。自らが情報を簡単に発信できる今だからこそ、匿名文化を初めとする「情報のさらし方」について、小学校・中学校などの教育機関での学習も含めて考えていかなければならない時が来ているのかもしれません。



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