Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

HD DVDに光だが・・・

2007-08-21 20:02:39 | Technology
 毎度おなじみHD DVD VS BlueRayの話ですけれど・・・個人的には「正直どうでもいい」んですけれどね。

 手元にあるのは、フルHDではないハイビジョン液晶テレビ。結構な数のDVDソフトとゲーム機が数台。最初はどっちが優勢かしたり顔で眺めていたものですけれど、今にいたって、双方ともに普及の兆しナシ。BlueRayはPS3効果で多少は見るようにはなりましたけれど、ニッチな娯楽であると言うことを否定する人は誰もいないでしょう。

 では何で、そんな興味のないものを引っ張り出すのかと言いますと、元記事がすばらしくおもしろかったからに他なりません。

 簡単にまとめれば、シュレックとかトランスフォーマーの供給元であるパラマウントがBlueRayを”なぜか”切り捨てた。HD DVDにとってはいいニュース。という記事です。

パラマウントとドリームワークス、Blu-rayを捨てHD DVDに独占供給へ engadget

 東芝の焦土戦術積極的な価格設定のプレーヤーと大量のバンドル攻勢にもかかわらず今年のソフト売上はほぼ2:1で負けていたHD DVD陣営ですが(ある意味東芝プレーヤ以上の大出血逆ザヤ状態のPS3も大いに貢献)、戦争はまだまだ続けられるようです。消費者にとって戦争継続が損か得かはともかく、東芝上席常務・東芝DM社社長 藤井美英 氏のお言葉にいまから期待したいと思います。

 焦土戦術というのは、アメリカでプレイヤーを299$+ビデオ5本おまけという冗談みたいな価格でばらまいたことから。そして、藤井氏のお言葉に期待するのは、以前、BlueRay陣営が圧勝と息巻いているときに氏が語った、

「台数的には低次元な争いですが(...)この状況でなぜBDが勝ったといえるのか。正直なところ真意がどこにあるのか、ワンダーしている」

というこの記事に載っていた、素敵すぎる言葉からでしょう。

 ゲーム機をのぞくと、プレイヤーの販売台数が双方併せて15万台という現状をシビアに見ているという点と、「ワンダーしている」という著しく間違った、しかし印象深い言葉の選び方は心に残ります。

 氏は、「まだ始まっていない」と言いたいのだと思いますが、それは私も同意見。問題は、このまま行くと「そのまま終わってしまう」可能性もあると言うことをしっかりと見据えて、両陣営ともがんばって欲しいと思います。

時代は磁化に回帰する?

2007-08-20 21:23:24 | Technology
 PCに必要なもの・・・いや、PCだけでなく、ありとあらゆる、ちょっとはインテリジェンスな電子機器に必要とされるもの。それこそ携帯やテレビ、ゲーム機、電卓に至るまで。
 トランジスタとか電気とか言い出したらキリが無いけれど、もっとザクッと分けたときに必要になる部品として、メモリがあります。

 現在、PCやゲーム機などに使われているメモリには、電源を切ると全部忘れてしまう揮発性と、電源を切っても内容を覚えておける不揮発性の二種類があります。
 揮発性の代表選手は現在主流となっているDRAM。PCの世界で「メモリ」と言えば、今は大概これを指します。対して、不揮発性のはNANDメモリ。いわゆるフラッシュメモリで、PSのメモリーカードやらデジカメや携帯のSDカード、DSソフトの記憶も全部これです。
 これらは共通して、「構造が単純で小さくできる」という特徴があります。そして、DRAMは「そこそこ高速」だけど「忘れてしまう」、NANDは「忘れないしそれなりに速い」けれど「使用制限がある」という性質を持っています。適材適所というヤツですね。

 さて。
 では、双方の長所を受け継いだ、「DRAM以上に高速で、使用制限が無く、不揮発性である」というメモリが登場したら、やっぱり革命的な事になりませんかね?


 IBMとTDK、高容量MRAMの共同研究開発を開始 PC Watch

 米IBMとTDK株式会社は20日、スピン注入磁化反転法を採用した次世代MRAMの共同研究開発を開始したと発表した。

 Magnetoresistive Random Access Memory(MRAM)とは、磁気をデータの記録に利用する不揮発性の次世代メモリ。フラッシュメモリと同様に不揮発性でありながら、高速な書き込みと高い書き換え耐性を特徴としている。


 まあ、要するに、そのような革命的な製品の筆頭がこのMRAMな訳で、細かい説明は以下のページが詳しいです。

次世代メモリデバイスMRAMの未来 PC Watch

 磁気を使ってDRAMとフラッシュを併せ持ち、双方の性能を凌駕している夢のデバイスというわけですね。こんなのがまともに攻勢をかけてきたら、メモリ周りで本当に革命が起こりますけれど、今のところは何とも言えません。

 というのは、MRAMは2006年にようやく製品化が始まった若い技術であることと、製造工程がまだ複雑であること。そして、最大の問題として、強磁性に弱いこと。
 要するに、コストが高くて磁石に弱いんです。

 とはいえ、技術革新とは弱点を克服してこそ。DRAMも様々な弱点を克服して、現在の立ち位置にいるのです。まだ市場に現れて一年の若い技術であるMRAMにも、今後大いにがんばっていただきたいモノです。

 ・・・できるだけ早急に、お願いしたいモノですけれどね。 

CDが25周年記念なんですって

2007-08-19 23:59:59 | Thinkings
 レコードの代替品として発売されたCD。その初製造日は1982年。実に25年前になります。

CD25周年。累計販売は2,000億枚に
-'82年8月17日にPhilipsが製造開始
 AV Watch

 CD(Compact Disc)が2007年8月17日をもって製造開始から25周年を迎えた。'82年8月17日に世界初のCDがドイツ ハノーファ郊外のPhilipsの工場で製造され、以来、累計で2,000億枚を超えるCDが販売されている。

 私がCDを初めて買ったのは小学校4年生の頃でしたか。タイトルも覚えていますけれど、CDそのものはどこに行ったのやら。
 レコードよりもカセットの印象が強かった私にとって、頭出しの早さは衝撃的でした。まあもっとも、当時は音楽なんてほとんど聴きませんでしたけどね。

 私の過去はさておき、レコードよりも色々とアドバンテージを持っていたが故に、CDはあっさりとレコードを過去の遺物へと押しやり、音楽媒体における現在の位置を築き上げました。

 当初は音楽を記録する媒体として利用されていたCDですが、しばらくするとデータ記録用にも使われるようになりました。当時の民生用HDDが200MBとか300MBとか言っていた頃ですから、CDの容量は本当に衝撃的な大きさだったと記憶しています。
 現在においても、業務用アプリケーションなどはその容量でも十分すぎることが多く、多くのパッケージソフトでは未だにCDが媒体として選択されています。

 要するに、現在においても、CDはよく使われる記録媒体であるわけです。

 ここまで長く規格が続いてしまうと、問題も色々と出てきます。セキュリティーもその一つですが、消費者にとっての関心事と言えば、その製品寿命について。

 当初は「100年」とか言われていたCDの読み出し寿命ですけれど、現在においては20~30年が妥当とされています。と言うことは、当初にプレスされたヤツだとちょっと危なくなっている可能性があると言うことですね。
 レコードみたいに、手元にプレイヤーが無くなってしまったらあきらめもつきますけれど、CDの場合はそうもいきません。今更10年前のソフトウェアが使いたいかはわかりませんが、20年前の音楽を聴きたいという人はたくさんいるでしょう。

 本当に必要なモノはバックアップ。そろそろ考え時かもしれませんね。

 ちなみにCD-Rはメディアの質によっても大きく左右されますが、2~5年と言われています。・・・CD-Rが普及し始めたのは10年くらい前ですが、そこんところどんなモノでしょうね・・・
 ちなみに、数年前に作成した音楽CDーRが聞けなくなっていた私としては、大学時代に焼きまくったCD-Rをいい加減何とかしないとな・・・等と思っている次第。

 いつまでも あると思うな 親とデータ

暴いておやりよWikiScanner

2007-08-18 20:15:41 | Technology
 インターネットが現れてから、私に限って言えば、辞書を引く回数とか、書籍での調べ物の回数が激減しました。

 しかしながら、たとえばサイエンス系の調べ物をするときですと、すでに確証や証明が得られている話題や項目ならいいですけれど、しばしば相反する意見が書いてある二つ以上のサイトが見つかることがあります。

 「地球温暖化は温室効果ガスが原因」とか、「人類は月へ行った」とか。ちなみに、私は二つとも正しいと思っていますけれど、ネット上には真逆の事を言っているサイトもあるのはすぐに見つかるでしょう。

 そういう面倒な問題を調べるとっかかりとして便利なのが、Wikipediaです。多くの場合、主流の意見をまず載せており、参考として相反意見の掲載もされています。調べる側からすれば、双方の代表的なサイトに飛んだり、参考文献を調べることで、最終的に判断を下すことができるため、大変に便利です。

 さて、サイエンス記事の場合、あくまで真実は一つであるわけで、多くの場合は金も絡まなければ政治のネタにもなりません。しかし、モノによってはそうでない場合もあります。

 例えば、次期大統領候補の項目とか、上場企業の記事については・・・

 そのようなページで明らかにバイアスのかかった記事を見つけたり、記事の真贋を見極めたいときに役に立つのが「誰が著者か」という情報。その著者の過去の著作や、所属している組織がわかれば、自ずと答えが見えてくることが多いですけれど・・・

Wikipediaの執筆者を暴露するツールが登場 ITmedia

 Web百科事典のWikipediaは誰でも編集することが可能で、参加者に対してはオンラインユーザーネームの採用を呼び掛けている。しかしコンピュータのインターネットアドレスを示す番号で執筆者を特定することも可能だ。

 これにより、執筆者の身元が完全には隠しきれなくなることもある。政敵を批判するWikipediaの記事に、議会関係者のコンピュータが使われていたことが発覚した場合などだ。


 要するに、執筆者のIPアドレスから、組織を割り出すなんてことが可能になるわけです。人までは特定できませんけれど。

 例には、テレビ番組の項目の編集にCIAのアドレスが使われているという「さぼりの暴露」などが出されていました。これを、「うさんくさい技術」を画期的と紹介する記事の編集に、「その技術を使った製品のメーカー」のアドレスが使われていた、と読み替えれば、WikiScannerの効果がわかるというもの。

 大変便利なインターネット、そしてWikipedia。しかし、どこに嘘が転がっているか、今はわからないもの。何事にも注意深く、よく考えて真実に向き合うことが必要とされているのかもしれませんね。

 ・・・ああ、インターネット性善説って今考えるとむなしいなあ・・・

自分の名前は選べない

2007-08-17 18:27:52 | Thinkings
 生まれてきて最初につけられる名前。多くの人はその名前と一生つきあっていく必要があるわけですけれど、名前をつけられるときに両親(もしくはどちらか)が何かに多大な影響を受けているか、学校に入ったときの扱いが頭からすっかり抜けていた場合、トンチキな名前をつけてしまう事は往々にしてあることです。

 フィクションの世界でも、息子に「トンヌラ」とつけようとしたりとか。

 とあるアメリカの人は、自分の息子に「自分の名前Ver.2.0」とかつけてしまいました。まだ2ndとかつけられた方が普通ですけど。日本においても、過去に「悪魔ちゃん」騒動がありました。

 ちなみに、日本の場合、名前に「狂」とか「悪」とかが入っていると、大概の場合市役所で止められます。考え直せ!って事ですね。

 さて、タイトルだけ見るとアメリカの話かと思ってしまうのですけれど、以下は中国の話です。

子供の名前を「@」にしようとした中国の夫婦 ITmedia

全世界が電子メールで使っていて、中国語にすると「彼を愛している」という意味になる――子供に「@」と命名しようとした父親はこう説明した。

 何でも、

 「@」は中国の電子メール利用者にはおなじみで、たいてい英語の「at」と同じ読み方をする。「T」の音を長く伸ばすため、標準中国語を話す人には「彼を愛している」を意味する「愛他(ai ta)」に聞こえる。

と言うことらしいですよ?親がそういっているんだからまあ深くは追求しませんけれど、契約書類や申請書類を書くときに、余計な苦労を背負い込みそうな名前ですね。

 往々にして変な名前をつけられた子供は不幸だと思う私ですが、自分の名前はちょっと読み間違えられやすい名前ではある物の、ごくごく普通の部類ですのでありがたいことです。もっとも由来を聞いたら、話のネタになるようなものでしたが。

 とりあえずは、人に覚えてもらいやすい名前、人からすらすらと読んでもらえる名前が一番であろうと思いますので、今後その機会に恵まれましたら、是非とも「普通の」名前をつけたいと思いますね。

 ・・・そういえば、昨年「ハウル」(漢字は失念)とつけられた男の子がいたそうで・・・流行物は、廃れてからは・・・子供に胸を張って由来を話せるような名前をつけたいものです。

青天の霹靂・・・Vistaが立ち上がらないんですけど

2007-08-16 21:28:00 | PC
 帰ってからいつものようにPCをの電源を入れ、パスワードを入力。さーてニュースチェックしようかな・・・と思っていたら・・・

 立ち上がらないんですけど。

 ずっと黒画面で止まったまま。HDDも動いておらず、Ctrl+Alt+Deleteも無視。最後にはエラーダイアログが出て、それでも進展が無かったのでリセット押して再起動。
 ・・・セーフモード選択画面もハイレゾなんだなー、って妙なところに感心しながらもう一回通常起動を選択し、ログインすると・・・

 いや、青画面はないなー。

 Vistaでもブルースクリーンあるんだー、と変に納得しつつ眺めていると、ひとしきり動いた後、BIOSの起動画面が突然現れました。
 この時点でいやな汗がじわり。頭の中はネガティブがいっぱい。正直ドキドキです。
 ただ、ここで一つ思い当たる節に出くわしました。

 そういえば、昨日WindowsUpdateかかってたなー・・・と言うことで、たる氏に電話。

 「オレ、地雷踏みましたか?」
 「ふんだんじゃね?」

 祈るような気持ちで、セーフモードからシステムの復旧を選んで二日前に戻すと、何とか起動。なんだよー、地雷パッチかよー、Microsoftいい加減にしてくれよー、と毒づきつつ、今回の挙動についてネットを探ってみると・・・

 ウイルス定義ファイルの更新を行うと、Windowsが通常モードで起動しなくなった JustSystem Q&A

Windows Vista環境で、2007年8月15日17時50分~20時10分にウイルス定義ファイルの更新を行うと、Windowsが通常モードで起動しなくなる現象を確認しています。以下の手順で対処を行ってください。

 !?

 対処方法:アンインストール → もう一度インストール

 申し訳ないWindowsの開発者のみなさん。私の早とちりです。真に悪いのはロシアのおっさんでした。

 セキュリティーソフトがらみでは、こういうバグはたまにあります。以前にトレンドマイクロがやったときには大きなニュースにもなりましたしね。だから、個人的には、バグ自体は寛大な心を持って許しましょう。

 しかし納得がいかないのは、なんでトップページに謝罪を載せるなり、サポートへのリンクを載せるなりしないのかと言うこと。

JustSystem
※2007/8/16 21:22時点でトップページに一切の記述なし。

 仮にもセキュリティースイートというクリティカルな製品を扱っているんですから、メールで通知してユーザー内だけでカタをつけようとするのではなく、落ち度は落ち度として外に出した方がいいと思うんですけどね。

パスワード管理、できてます?

2007-08-15 18:33:25 | Thinkings
 PCを立ち上げたときに、最初に求められるのがIDとパスワードの入力。そんな人は割と多いんじゃないでしょうか。かくいう私もそうで、職場はもちろん、Vistaに変えてからの我が家でもそうなってしまいました。

 日々ネットの世界をふらふらしておりますと、思いの外多いのがパスワードの入力作業。他にも銀行のキャッシュカードの暗証番号とか、手軽で手堅いセキュリティの実装として、至る所で使われています。

 ところで、パスワードってどれくらい使っていますか?

 このご時世に「どこのパスワードも全部一緒」なんて人はさすがに少ないと思います。私はいつも使っているものだけでも、片手では足りません。安全性を考えると難しいところですけれど、正直覚えているのが大変で・・・

 そこで、おもしろいやり方を紹介しているページを見かけました。

誕生日や電話番号以外のパスワードを考える ITmedia

優れたパスワードの選定と記憶法 ITmedia

 前者は、数学や物理の定数を使う事を提案。後者は、「定型句+サイトの母音二つ子音二つ」(例:定型句asdf+Cafe de Kermならcfaeで「asdfcfae」)と言ったルールを決めておくことを提案しています。なるほど、どちらも「わからなくなっても調べられる(もしくはもう一度作成できる)という事で、脳細胞に無理なプレッシャーをかけずに済みそうです。
 端から見たらどちらも一貫性が無く、ちんぷんかんぷんですしね。

 もっとも、これらの方法を使っていたとしても、パスワード生成のルーリングを自らばらしてしまったり、キーロガーが仕込まれてしまったりしたら結局無意味。
 最終的に責任や、迷惑を被るのはやっぱり自分ですので、まずは管理のモチベーションを高めるところから始めていきましょうね。

 ・・・特に漏れても困る情報がない?じゃあ、パスワードこそが一番漏れてはいけない情報と言うことで。

紙電池が技術を変えるか

2007-08-14 23:59:59 | Technology
 今の世の中、身の回りには様々な電化製品があふれています。その中でも、特に持ち運べる物や身につける物、携帯電話や腕時計、懐中電灯にポータブルプレイヤー等々に共通して必要となっているのが電源、つまり電池です。

 充電型や使い捨てなど色々とありますけれど、どれもに共通するのが、電池の容量や質量、形状の自由度が、使われる製品にも大きく影響すると言うこと。
 簡単に言えば、電池が小さくなったり自由に形を変えられるようになれば、携帯電話等はもっと柔軟なデザインができるようになると言うことです。

 さて、現在の電池は「液漏れ」を起こすことからもわかるように、内部に電解質の液体が使われています。また、電力を生み出すために、電池の中には金属が使われていますので、廃棄の際に環境にダメージを与えることもなりますし、体内での使用についても安全性に不安が残ります。

 これらの問題について、大きな改良を施した電池が開発されました。そして、その電池はどうやら紙でできているようなのです。

曲げても折っても切っても…紙の電池、米大学が開発 Yomiuri Online

曲げたり折ったり、様々な形に切ったりしても使える紙の電池を、米レンセラー工科大(ニューヨーク州)が開発した。

 セ氏150度から氷点下78度まで使えるなど高機能なうえ、成分の90%が通常の紙と同じセルロースなので環境への悪影響が少ないという。研究成果は米科学アカデミー紀要電子版に近く掲載される。


 この電池、カーボンナノチューブを紙の繊維と同じ方向に並べることで起電力を得ているようですが・・・正直原理はよくわかりません。わかっていることは、リチウム電極をつければリチウム電池に、特殊金属の電極をつければキャパシタ(コンデンサ)になって電池をためておける事に加え、曲げたり折ったり、切ったり重ねたりができるなどきわめて自由度が高い仕様になっています。

 環境が負荷が低く、かつ設置、搭載時の自由度が高いこの電池の欠点は、カーボンナノチューブを使っているため値段が高くなりそうなこと。生産自体は「印刷技術」でまかなえるため安価にできそうですが、材料であるカーボンナノチューブ自体が高いため、使える範囲は限られそうです。

 個人的には、カーボンナノチューブの応用範囲がまた一つ見つかったことに喜んでいますけれど、確か、カーボンナノチューブが人体に与える影響ってまだまだ未知数じゃなかったですか?
 ナノ技術こそが21世紀を担う技術であることは私も重々承知の上ですけれど、極小の材料を使うことによる人体や環境への影響も、同時に注意深く進めて欲しいというのが願いです。
 人体実験もできませんし、ナノ材料が体内でどのように振る舞うかなんてきわめて難しい研究だと思いますけれど・・・アスベストのように普及しきってからで後の祭りというのは、あまりにも悲しいですからね。

LinuxがUNIXより高くなる・・・は潰えた

2007-08-13 19:10:29 | Thinkings
 本来無償で提供されているLinuxに、クライアント1台あたり700ドルのライセンシーを課そうとした企業が存在します。
 その企業はSCO。
 自らが開発したUNIXWareを普及させるべく、NovelとIBMをLinux中核技術の「著作権侵害」で提訴したものの、結果は次の通り。

米連邦地裁、「UNIXの著作権保有者はノベル」と判断 nikkei.net

 ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)米ユタ州の連邦地裁は10日、基本ソフト(OS)「UNIX」の著作権の正当な保有者はSCOグループ(Nasdaq:SCOX)ではなくソフトウエア大手ノベル(Nasdaq:NOVL)であるとの判断を示した。

 裁判所の判断は、SCOを主張を真っ向から否定する物で、SCOはNovelからUNIXのライセンシーを受けているに過ぎないという解釈でした。これによって、SCOがIBMに対して起こしている「LinuxはUNIXの模倣であり、中核技術を公開した」という訴訟も、SCOに著作権が無い以上、根拠をなくすことになります。

 2,3の記事を読みましたけれど、どの記事もリーナス・トーバルズやリチャード・ストールマンにインタビューしてないんですよね・・・一社くらいはあるとおもしろかったんですけれど。The Free Software Foundationのページにもそれに触れてある記事は全くないし・・・最初から鼻で笑っていたのかもしれません。

 そして、もう一つ。
 たとえ、Linuxに課金ができていたとして、Linuxを選択肢から外さざるを得なくなった人たちは、間違いなくSCOの製品を選ばないと思います。

 私なら、無料であるSunのSolarisか、700ドルよりずいぶん安いWindowsを選ぶことでしょう。FreeBSDでもいいや。どっちにしろ移行に手間がかかるなら、UNIXwareなんて絶対に使いませんとも。

PCはニッチに落ちるのか 携帯中心という考え方の危険性

2007-08-12 19:08:39 | Thinkings
 現時点で、ケータイの普及台数は、国内で一億台ほどであるといわれています。要するに、「当たり前の機械」になったと言えます。言ってみればテレビや洗濯機と同じスタンスで語られるものになったのです。
 対して、同じ情報機器であるPCは、普及してきたとは言えケータイと同じ土俵で語られることはまずありません。まだまだ異質な、ちょっと変わった機械なのです。

 単純に、普及率や使用率を考えても、今現在PCはケータイにかないません。ですが・・・それに関連してこういう話が出ると、どうしても違和感が出るのですよ、私は。

ネット利用はケータイが中心になる--モバイルに賭ける起業家たちの未来予想 CNET

 jig.jpの福野氏は、携帯電話ユーザーの方が一般的で、PCユーザーこそがニッチとの持論を明かした。

jig.jp代表取締役社長CEOの福野泰介氏。携帯電話向けフルブラウザ「jigブラウザ」の技術はYahoo!モバイルなどに採用されている 「電車の中でPCを開く人をほとんど見かけない。しかし、携帯電話は1億人が加入しており、ほとんどの人が普通に持っている。PCに比べて携帯電話の方が一般的だとみると、考えるべきことはいろいろあって当然という気がしています」


 私はケータイをW51Hに換えてから、PCサイトビューワー、いわゆるフルブラウザを使う機会が格段にあがりました。暇つぶしにGoogleニュースを眺める日々です。以前の携帯に比べ、ワイドVGAになってから、格段に通常のページが見やすくなったのがその理由。確かに文字はかなり小さいですけれどね。

 しかしながら、ケータイでWebを見ようとすると、まだまだ制約が多すぎる事に改めて思い知らされます。見えないページが多かったり、コンテンツが動かなかったり・・・コピペやカスタマイズの問題もありますね。

 ・・・要するに、携帯電話でPC的なネットの使い方をするのは無理がある、ということが言いたいわけです。

 でも、ケータイでのネット利用は10代を中心に増加が続いており、当の私もモバイルサービスは割と利用しています。
 で、先のPCがニッチになる・・・という話に対して抱いた違和感なんですけれど、つまりPCとケータイでのネット利用というのは全く別物であって、同列に語れる物ではないということです。

 具体的に言えば、「PCは情報中心」のツールであって、携帯は「コンテンツ中心」のツールであるといえます。
 PCは多くの情報を効率的に集める事に適しており、また、このブログのように情報を発信する事にも長けています。また、写真やFlashなどの文字以外の情報も扱いやすい事が上げられます。
 そして、それらの豊富な情報にアクセスするため検索エンジンが発達してきたという土壌があるわけです。
 対してケータイは、黎明期から一貫してコンテンツありきです。「検索エンジン」であるGoogleやYahoo!が最近になってようやく進出してきたことからもわかるように、トップページからのリンクと、コンテンツホルダーがいかに魅力的なサイトを構築するかにかかっていたのです。
 現に、モバゲータウンもEZ GREEもそうですけれど、そのサイト内で完結しています。そういう意味では、コンシューマーゲームに近い、「ソフトウェアを選ぶ」感覚でネットと向き合っていると考えられます。課金ビジネスが多いのも原因かもしれませんけれどね。
 そして、携帯の最大の特徴は、日常的に接する物であるため、特に10代の利用において「検索エンジンをリアルに追い出してしまった」点であると言えます。口コミでコンテンツが選択され、メールや赤外線でそのコンテンツが広まっていくわけです。媒介にネットは挟まれません。「とりあえずGoogle」なPCからすると全く異質です。

 これらの観点から見ると、ケータイは確かにネット接続の手段としては第一勢力になっていくのかもしれませんが、コンテンツはよりニッチな方向に進化せざるを得ないとしか思えません。相手にするコミュニティーが極小なのですから、提供するコンテンツもそれに併せたコミュニケーションツールであらざるを得ないということです。
 対してPCではそのようなコンテンツマーケティング・・・というよりも手軽なコミュニケーションツールははやらないでしょうね。今と同じ路線が続いていくことでしょう。

 以前は、「ケータイがネットの主役になんか・・!」と思っていましたけれど、今はここまで書いてきたとおり、「全く路線が違うんだからそんな話は不毛」という考えです。強みがあるからPCは無くならない・・・とか、販売台数が多いからケータイが強いとか、キーボードとテンキーとかそんな次元の話では無いんでしょーねー。

 まあ、今後も「わかりやすい例」としてモバイル屋さんの話は出てくるとは思いますけれど・・・今のQVGA縦画面Flashナシの携帯ではなく、ノートPC並みの見やすさと表現力を持った携帯が出てくるまでは、そういう議論は時期尚早だと思いますよ、いやホントに。