Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

ウイルスにも知的財産権?

2007-08-01 23:59:59 | Science
 知的財産権とは、著作権に代表される形の無いものを守る権利のことです。

 某黒耳ねずみとか、Jasracの横暴ぶりが思い出されますけれど、何もそういう点だけでなく、特許だとか意匠権などもひっくるめて扱う言葉です。

 とりあえず、サブマリンだとかロイヤリティーだとか、近々の報道のせいでネガティブなことが色々と思い浮かぶこの言葉。しかし、それを「祖国の経済のため」に使うと言うのですから、少々毛色が違う話です。

鳥インフルのウイルスにも知財権? インドネシアの主張に困惑 産経新聞

 新型インフルエンザのワクチン開発をめぐり、インドネシアなど途上国側が提供したウイルスに「知的財産権」を認めてほしいと主張、ワクチンを研究・開発している先進国側に困惑が広がっている。

 インドネシアの主張はこう。

「せっかくウイルス検体を提供しても、先進国の作ったウイルスを高値で買い取らなければいけないのは不公平だ」

 知的財産権をウイルスに認めさせることによって、製薬会社にロイヤリティーを支払わせ、薬の購入代金を相殺しようということらしいです。

 確かに、この主張には一理あると思います。
 家族の命を奪ったウイルスをタダで持ち去っていったと思ったら、今度は命を盾に生活の糧を奪っていくわけですから、途上国にしてみたら、病気にかこつけてむしれるだけむしっていく悪魔にでも見えるんじゃないでしょうかね。

 とはいえ、逆に考えれば、その検体から医薬品を作るのにも莫大な金がかかるわけですから、医薬品メーカーの困惑もわかることはわかるのです。

 金と薬はエイズでも深刻でしたけれど、双方の利益がかかっているわけですから難しい問題ですよね。ただ、WHOはこういう時のためにいるわけで、検体提供元に薬を売る場合には価格を割り引いて卸す、などと言った折衷案をいち早く決めて、事態の沈静化を急いでほしい物です。


 ・・・ワクチンや病気は、当事国だけの問題ではないのですからね。