Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

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紙電池が技術を変えるか

2007-08-14 23:59:59 | Technology
 今の世の中、身の回りには様々な電化製品があふれています。その中でも、特に持ち運べる物や身につける物、携帯電話や腕時計、懐中電灯にポータブルプレイヤー等々に共通して必要となっているのが電源、つまり電池です。

 充電型や使い捨てなど色々とありますけれど、どれもに共通するのが、電池の容量や質量、形状の自由度が、使われる製品にも大きく影響すると言うこと。
 簡単に言えば、電池が小さくなったり自由に形を変えられるようになれば、携帯電話等はもっと柔軟なデザインができるようになると言うことです。

 さて、現在の電池は「液漏れ」を起こすことからもわかるように、内部に電解質の液体が使われています。また、電力を生み出すために、電池の中には金属が使われていますので、廃棄の際に環境にダメージを与えることもなりますし、体内での使用についても安全性に不安が残ります。

 これらの問題について、大きな改良を施した電池が開発されました。そして、その電池はどうやら紙でできているようなのです。

曲げても折っても切っても…紙の電池、米大学が開発 Yomiuri Online

曲げたり折ったり、様々な形に切ったりしても使える紙の電池を、米レンセラー工科大(ニューヨーク州)が開発した。

 セ氏150度から氷点下78度まで使えるなど高機能なうえ、成分の90%が通常の紙と同じセルロースなので環境への悪影響が少ないという。研究成果は米科学アカデミー紀要電子版に近く掲載される。


 この電池、カーボンナノチューブを紙の繊維と同じ方向に並べることで起電力を得ているようですが・・・正直原理はよくわかりません。わかっていることは、リチウム電極をつければリチウム電池に、特殊金属の電極をつければキャパシタ(コンデンサ)になって電池をためておける事に加え、曲げたり折ったり、切ったり重ねたりができるなどきわめて自由度が高い仕様になっています。

 環境が負荷が低く、かつ設置、搭載時の自由度が高いこの電池の欠点は、カーボンナノチューブを使っているため値段が高くなりそうなこと。生産自体は「印刷技術」でまかなえるため安価にできそうですが、材料であるカーボンナノチューブ自体が高いため、使える範囲は限られそうです。

 個人的には、カーボンナノチューブの応用範囲がまた一つ見つかったことに喜んでいますけれど、確か、カーボンナノチューブが人体に与える影響ってまだまだ未知数じゃなかったですか?
 ナノ技術こそが21世紀を担う技術であることは私も重々承知の上ですけれど、極小の材料を使うことによる人体や環境への影響も、同時に注意深く進めて欲しいというのが願いです。
 人体実験もできませんし、ナノ材料が体内でどのように振る舞うかなんてきわめて難しい研究だと思いますけれど・・・アスベストのように普及しきってからで後の祭りというのは、あまりにも悲しいですからね。