Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

落ちた橋に思う

2007-08-03 20:20:34 | Thinkings
 アメリカのミネソタで、橋が落ちました。

ミネソタの橋、連鎖的に崩壊か 気温差が影響の見方も asahi.com

 米ミネソタ州ミネアポリスで1日に起きた高速道路の橋の崩壊は、構造上の欠陥が原因との見方が強まっている。目撃者などによると、最初に橋の一部が落下し、その後、連鎖的に他の部分が崩壊したという。

 現在も救出作業が続いているようですが、利用している人たちにとっては避けようが無かった事故だけに、なんとも痛ましいものです。
 事故は構造的欠陥が原因・・・なんて分析されていますけれど、日本の耐震偽装も放っておいたらこのような事態になっていたのかもしれません。

 しかしながら、日本の耐震偽装と大きく異なるのが以下の点。

 地元紙スター・トリビューン(電子版)は、崩壊した橋が05年、米運輸省に「構造的に不完全で、場合によっては架け替えが必要」と評価されていたと報じた。一方、01年に同州運輸局が出した報告書では、三角形に鉄骨を組んだトラス構造の各部に金属疲労を確認しながら、「高い予算をかけた橋の架け替えは延期してもよい」と結論付けていた。

 日本の場合、耐震偽装が発覚した建物は即刻取り壊しになるなどの対処が行われましたが、アメリカの場合はそうでなかったようです。やはり地震による建物崩壊の危険にさらされている日本と、そういう意識の薄いお国柄の違いというやつでしょうか。

 とはいえ、日本で耐震構造計算偽装がセンセーショナルに報道されてからずいぶんたちます。日本における建造物の安全性に不振を振りまいた事件でしたが、「地震国である日本の建造物は強い」という神話を木っ端みじんに吹き飛ばしたのは阪神大震災です。
 横たわる高速の高架を目の当たりにして、薄ら寒いものを感じたのは私だけではないでしょう。

 橋が落ちたときは・・・なんて考えるだけでいやですが、かといって渡らなくては移動もできないわけで。橋の管理者にはこれまで以上に真摯な検査をお願いしたいものです。