CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】愛すべき音大生の生態

2020-08-06 20:54:17 | 読書感想文とか読み物レビウー
愛すべき音大生の生態  著:辛酸なめ子

美術大出身の著者が、現在の名だたる音大を訪問して、
学生の実態を探る、というか、レポートする本でありました
ゆるく、ふんわりとしたインタビューと、学祭への参加等々、
3年間かけて、音大生OBでもある編集者と探ってきた
そんな本であります

読んで、ほんわか、そういう感じだろうねと
まったり楽しめる本でありまして、
とりわけ、優れた洞察だとか、物凄い新発見だとかは
まったく存在せず、漠然とというか、
口悪くいえば、素人が音大生に出会っただけのような
不思議な読み物でありました
著者の感想が、お金持ちそうだ、というところに集中しているのが
凄い気になって仕方なかったんだが、まぁそれはそういうものとして、
きらきらした学生たち、そう見えながらも、
裏では、想像を絶するような大変な苦労があるといったことを
つらつら書き連ねているのでありました

学祭が凄い楽しそうなのは、美大に似たところでもあるんだが、
音大の学生たちが、あっちこっちで安価にクラシックを聞かせていたり、
そのあふれる才能をそちこちで発揮しているのが興味深いところでありました
音楽を単純に楽しみたいという場合は、
名だたる演奏家よりも、こういう学生の安いものを聞くというのも
楽しみの一つなのかもなと、思ったりするのでありました

もう少しつっこんだところ、
恋愛事情と、パートの確約といった、裏取引めいた、
ある種枕営業的なものが存在しそうな話がでてくるんだが、
著者も考えてうえでか、そこまでつっこんだ聞き方をしていなかったけども、
一握りしか成功しない世界の恐ろしさが
少しだけわかったように思うのでありました
音大生は、音大生としか付き合えないのかと思ったら、
これは両極端だったようで、なかなか興味深いというか
まぁ、考えてみれば当たり前のお話であった

音大生でも、唄えない人がたくさんいるというのが
面白い話しでありました
楽器と自身の声は違うから、そりゃそうだって話だな


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