CLASS3103 三十三組

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【読書】星々の舟

2021-12-06 21:02:40 | 読書感想文とか読み物レビウー
星々の舟  作:村山由佳

直木賞作品だと思うんだが、
なんとも暗いというか、いやな感じの話だなと
久しぶりに趣味じゃないと思った読書になった
それでも読んでしまうのが、楽しいところなんだけども

少し複雑な家族の物語、
後妻の連れ子だと思っていたら、元愛人なので父親一緒という
とんでもない秘密があるために、
引き裂かれてしまう兄妹、そしてそのまた兄と妹と
それぞれが一家に対して複雑なことを抱えつつ、
それでも、気づいたら、その父親や、母親に似たことをしてしまっているのではないかと
悩ましい生き方をしている人たちの物語でありました
暗い、といえば暗いんだが、なんというんだろう、うやむやだ
その暗さの原因ともいえる父親の話が最後なのだけども、
そこで、なぜそうなのか、その理由とはたしてなりうるか、
疑問はあるものの、父親が戦争によって受けた傷というものが描かれて
ある種の落着を得るのだけど
まぁ、なんというか、うすら暗い、陰気なお話でありました

何かがよいとか悪いとかではなく、
人間の情のもつれというものが、いくつも絡み合って
がんじがらめになっているといった感じでもあり、
兄妹といえるかわからないような、それぞれの立ち位置と思い
そして、それぞれに対して抱く葛藤があって、
その上流に父親という存在が、それこそ、
光としてであり、闇としてでありと
これまた、兄妹それぞれにとって違うというのも面白いし、
世の中、存外そういうもんだよなと思わされたりもしたのであります

とはいえ、全体的にともかく益体もないというか
どうしようもないところで、身動きがとれなくなっている
ひどく窮屈というか、つらいお話ばっかりだったので
なんとも、読むのに時間はかかるわ、
読むほどに気分が落ち込むわと、読むのに力がいる本だった


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