CLASS3103 三十三組

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【読書】彼岸花が咲く島

2021-11-24 20:58:13 | 読書感想文とか読み物レビウー
彼岸花が咲く島  作:李琴峰

芥川賞受賞作品であります
ふわっとした感じだったけども、ある種SFのようでもあった
ちょっと思想というか、テーマに直接すぎるなと感じたんだが
芥川賞なら、もうちょっとオブラートというか、文字通り比喩にしておいてほしかったかもと
思ったりしたんだが、不可思議な世界観のお話でありました

ある時、謎の島に流れ着いた少女が主人公で、
その島の秘密に迫るというか、そうせざるをえない
そういう生き方をしていくしかないというお話でありました
なんとなし、沖縄の離島のどっかっぽい設定だろうなぁと
言葉遣いやら、あれこれで思わされていくのだけども
最終的には、そうきたかといった感じの世界で
なるほどなと思わされたのであります
強いネタばれを含んでしまいそうだが、LGBT的な内容も含まれているな

さておき、話としては、帰るところのない異邦人が、
新しい土地でそこに居住むということは、
何か責任を果たさなければならない、そういうことを描きつつ
その責任を負うべきものが、もっと大きな、
過去であり、連なる過ちであり、それを今防ぐことでありと
そんなお話で、こう書いてみると
やはり、結構な比喩というか、暗喩じみているなと思ったんだが
それ以上に直接的な表現が最終的に出てくるので
どうかなとやっぱり思ってしまうのであった

文学の果たす役割などと、かっこいい話にもっていきたくないんだが
政治思想的なものと対立するというのは、あまり読みたいものではないなと思いつつも、
さりとて、そういうペンの使い方によって、
結局、私のような輩でさえも、なんかしらこれについて言及する
あるいは考えるきっかけとなってしまうのだから、
やはり正しいのかとも思ったりするんだが
そうではない、ただ、深く人間を考えるそれみたいなのを読みたかったかなと
思ったりもするのであった

しかし政治は人間だからこそのそれでもあるから、
やっぱり正しいのかとも感じるところ
彼岸花というキーワードが、視覚的にもそれであるにも関わらず
内実がまるで違うというのはどうかしらねと思ってしまったんだが
この架空の島のありようもまた、ごく近くにある
何かを表しているようにも見えるし、なんとも嫌な感じになってしまったのである


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