食べると死ぬ花 作:芦花公園
おどろおどろしいクリスマスローズをあしらった表紙が目をひく一冊だったが、
クリスマスローズって、食べたら死ぬような花だったかな?と
いらんことを考えつつ読んだのでありました
疲れるというか、とても嫌な話だなと、序盤でへこたれそうになったんだが、
ともかく、暗い、ひどい世界、生活の中で不幸にかき乱される人を描いた短編集で、
最終的には、古いところでいう、笑ウセールスマンみたいな感じのお話だった
ある種の宗教観もまとっていて、
それは、キリスト教的なものが一番近そうだが、
神あるいは、上位の存在といったものの起こす奇跡のような感じで、
結局不幸になるというお話が多くて、なんとも
救われたように見えた地獄への出発だったり、
ただただ破滅、破綻していく様を描かれたりと
なかなかくたびれる内容ばかりで、重くのしかかってくるようだった
あまり、自分だったらとか、そういう感じではないのは、
ここに描かれる世界観のどれとも、共通点がない、ある種の幸せな毎日だからだろうかとも
考えてしまうんだが、ともかく、家族のありようが酷いという
人間の醜いところだけが目につくような話ばかりで、気が滅入る内容
しかし、終わりにつれ、だんだんと、その中でも前にといえばいいのか、
序盤ほどの悪趣味さとは異なる、破滅ではあるが、
何か、救われたとも異なるけど、解放に近いものに接近していくようなお話があって
少しだけ持ち直して読むことができた
最後の書下ろしで、それまでの種明かしめいたものがあって、
ここまで書いた感想の思い違いがわかったりして
それはそれで面白かったわけだが、
そうか、ヘレボラスって食べたら死ぬという意味だったのかと
衝撃的だったことと、それぞれの嫌な話が、どうも聖書的な神話が元となっている
現代社会にカスタマイズしたものだったようにも読めて
このあたりの教養があると、さらに面白かったのかもと感じたのである
罪の在り方というでもないが、神の存在を信じるということと
その存在は、超然であるがゆえに、頭がおかしく見えてしまうという
人類の認識限界という結論は、これはこれでありだなと思うのであった
しかしまぁ、こういう暗いのが書かれるようになって、
増えてくるようならば、世間的には景気がじわじわよくなってきてんじゃないかと
そう思わないと、色々と平衡がとれないと思うようなお話だったとメモっておく
おどろおどろしいクリスマスローズをあしらった表紙が目をひく一冊だったが、
クリスマスローズって、食べたら死ぬような花だったかな?と
いらんことを考えつつ読んだのでありました
疲れるというか、とても嫌な話だなと、序盤でへこたれそうになったんだが、
ともかく、暗い、ひどい世界、生活の中で不幸にかき乱される人を描いた短編集で、
最終的には、古いところでいう、笑ウセールスマンみたいな感じのお話だった
ある種の宗教観もまとっていて、
それは、キリスト教的なものが一番近そうだが、
神あるいは、上位の存在といったものの起こす奇跡のような感じで、
結局不幸になるというお話が多くて、なんとも
救われたように見えた地獄への出発だったり、
ただただ破滅、破綻していく様を描かれたりと
なかなかくたびれる内容ばかりで、重くのしかかってくるようだった
あまり、自分だったらとか、そういう感じではないのは、
ここに描かれる世界観のどれとも、共通点がない、ある種の幸せな毎日だからだろうかとも
考えてしまうんだが、ともかく、家族のありようが酷いという
人間の醜いところだけが目につくような話ばかりで、気が滅入る内容
しかし、終わりにつれ、だんだんと、その中でも前にといえばいいのか、
序盤ほどの悪趣味さとは異なる、破滅ではあるが、
何か、救われたとも異なるけど、解放に近いものに接近していくようなお話があって
少しだけ持ち直して読むことができた
最後の書下ろしで、それまでの種明かしめいたものがあって、
ここまで書いた感想の思い違いがわかったりして
それはそれで面白かったわけだが、
そうか、ヘレボラスって食べたら死ぬという意味だったのかと
衝撃的だったことと、それぞれの嫌な話が、どうも聖書的な神話が元となっている
現代社会にカスタマイズしたものだったようにも読めて
このあたりの教養があると、さらに面白かったのかもと感じたのである
罪の在り方というでもないが、神の存在を信じるということと
その存在は、超然であるがゆえに、頭がおかしく見えてしまうという
人類の認識限界という結論は、これはこれでありだなと思うのであった
しかしまぁ、こういう暗いのが書かれるようになって、
増えてくるようならば、世間的には景気がじわじわよくなってきてんじゃないかと
そう思わないと、色々と平衡がとれないと思うようなお話だったとメモっておく