CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】文豪の猫

2019-03-18 21:47:09 | 読書感想文とか読み物レビウー
文豪の猫  著:アリソン・ナスタシ

文豪たちと猫のポートレートを含む
各々の作家活動における、あるいは、人生における猫とのかかわり
思い出、猫自慢が綴られた本でありました
日本人作家からは、村上春樹さんと、大佛二郎さんが掲載されていまして、
どっちもいいなと思ったんだが、とりわけ、
大佛さんの写真が、かなりの数の猫が一匹ずつ割り当てられた猫茶碗に首突っ込んで
飯を貪り食っている様でありまして、なんとも微笑ましかったのであります
よほどの猫好きだったそうで、そういう人が
やっぱり、猫との写真を残しているものなんだなと
改めて、その存在に価値を見出してしまうのであります

偏屈な作家も多い中、そんなある種近寄りがたい人々が、
猫の前では凄まじくリラックスしていたり、
むしろ最愛のとまで褒め称えているというのが印象的で
このあたりは、文豪に限らず、猫好き、
もっといえば、犬好きでも同じようなことになるのだろうと
思ったりもするわけでありますが、
文豪が、その文章に猫をしたためているということが重要で
猫をクリエイターだと呼んでみたり、
友達や家族になぞらえたり、
ただ、猫であるが、猫であることが素晴らしいと褒め称えていたりと
様々で興味深いのでありました

ヘミングウェイやトールキンなんかも出てくるし、
あの作家もやはり猫が好きだったのかと
思い知らされたりしながら、
ハンディキャップを持つ猫に愛着を抱くという人が
幾人がいて、そういうところも含めて、
何か愛さずにいられない魅力があろうと
思うのでありました

しかし、海外の猫もやっぱり猫だなぁと
その姿ににやにやさせられつつ、
よくよく見ると、愛くるしいようでいて、
むっつりとした顔つきが、なんとも
いいようのない温かみを覚えさせてくれるのでありました
写真集としてもよかった、カポーティがマフィアに見えるんだけども