CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】天才

2016-04-20 20:56:11 | 読書感想文とか読み物レビウー
天才  作:石原 慎太郎

読書強化月間というか、話題作を乱れ読み中であります
こういう旬のものは、そのときに読んでおかないとなと
つくづく思ったりするところ
今回は、しばらく静かにしてたと思ったら
本書いていたのかと驚かされた、石原元都知事が書いた
田中角栄の小説でありました
石原慎太郎が、田中角栄の小説書くとか、
昭和も遠くなったというか、これはなんというか
凄いことだなと思い知るわけであります

ちょっと前に、ハマコーの本を読んだり、
映像の世紀で戦後の話を知ったりということもあって、
少しばかり、自分が生きていた時代なのに
記憶にない話があれこれとある、そんなところの
今思うと、憧れといってもいい
そんな時代のお話が語られておりました

田中角栄の一人称小説というスタイルで、
当時を回想しつつ、昭和政治史を語るといった
そんな具合でありました
小説か?と思わなくもないのでありますが、
吐露されるというか、紡がれていく言葉というか
出来事と人物たちが
いずれも、昭和史、戦後史のそれこれだと
圧倒されるでもないが、
まぁこれも、今知っているから思うところだなと
つくづくであります

田中角栄という天才が、どのように手腕を発揮し、
どう生きて、どう死んでいったか、
死ぬというのは、政治家として、人間としてと
二つについて語られていくわけでありまして
なかなか面白いものでありました
正直、事実はわからんので
どう捉えていいのかも悩むところでありますが
アメリカに嵌められたというのは
ひとつ、そうなのかもしれないと思わされるのであります

中国と手を組むという難事をこなしたというこの一事だけでも
凄まじい仕事ぶりだと思うわけでありますが、
高度経済成長を突き進んだ、その推進力を生んだのも
どうやら、この政治力であったようで
時代もあり、才能もあり、何かそういう下で蠢いたんだろうなと
天運天命的なものを感じたのであります

気さくさという部分といえばいいのか、
陳腐な言い回しの人間力というそれ、包容力や、器の大きさという
そんな昭和の政治家ならではの部分もしっかりかかれていて、
反官僚といっても差し支えない生き方は
やはり、ヒーローのように見えてしまうのでありました