CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

予想どおりに不合理

2009-10-02 23:51:29 | 読書感想文とか読み物レビウー
予想どおりに不合理  著:ダン・アリエリー

最近、レビウしないといけないものが
たまっているというか、書いておかないと
それを読んだとか、見たとか、そういう感想を
あっという間に失ってしまうことに気づいて
危機感を覚えておるところです
若年性痴呆ではなかろうかしら

などと、思ったりしながら、ぼんやりとこの本を読んで
なかなかおもしろかったと、しっかり覚えていたこのごろ
行動経済学で、少しおもしろいエピソードというか
実験について、外人らしい文体で書かれた
ステキな本でありました

検証をしてみると、ごく当たり前に見えてくる
不合理というか、説明のつく不合理さのたとえが
たくさん書いてあって、なるほどと思うのであります
「無料」という言葉に弱い話だとか、
「比較対照を提示されると惑う」だとか、
「感情的になっている時は理論を超える」だとか
そういう理屈にあわないことを
理屈にそって説明しているというものでありました

結構興味深いエピソードというか
実験が多くて、MITにて、様々におこなわれている
半分くらいはジョークみたいな内容を
いたってまじめに検証しているというところがツボで
まじまじと感心して見てしまったのであります

特に、初っぱなのエピソードにあった、
比較対照をつけることによる誘導については、
マーケティング概念にも通ずるというか
当たり前に思われることを
説教くさいのでなくて、人情としてそうなっちゃうよねと
描いてるあたりが好感、気をつけていても無駄という
わかりやすい結論もすばらしいと思えるものでありました

何かしら、目の前にある情報からしかというか
その瞬間に出会うと、そう決められていたかのように
行動してしまう、そして、それはきわめて不合理であるというあたりが
ステキだなぁと感心したもので、
十戒について考えたあとは、不正が減ったという例なんかは
その実験自体は笑い話程度にすませるというか
それを発展させて、何か持論を展開させるのではなく
あくまで、そういう実験結果を得たというだけで終わるという
この本全体の特色がすぐれていたと思うのであります

インプリンティングの効果をこの本によって知ってから
こういうことを書いてしまうと
なんというか、乗せられているのかもしれないと思ったりもしつつ
そういうのに、きわめて弱い人間である自分としては
ほほえましく読めて、楽しかったのでありました

久しぶりに何度か読み返した本であります