『本質的に自堕落で、脆弱で、
子種を供給する以外には生物学的に存在価値もない。
大義や責任といった言葉で己をがんじがらめにしない限り、
男という性は人の世に関われないのかもしれない。』田口掌砲長
この台詞が、否応なく私の内蔵を揺すっていったのですが
読みました、最近話題になってる
終戦のローレライby福井晴敏
すげぇ、超面白かった
何が面白かったって
なんだろうな(ぉぃ
ともかく、もってかれた感じで読めました
久しぶりであります
最初の代名詞である「彼女」という言葉から始まる文面に
少し置いてけぼり感があったんですが
その正体が、どれなのかはっきりした後から
急速に引き込まれて、気付いたらどっぷり読み付けた
長い、長ぇよローレライ、でも面白かったよ
内容は、戦利潜水艦伊705という
機密機関というか、最終兵器を積んだ潜水艦と
第二次世界大戦の終焉についての
長い戦いをつづったものなのだが
もうなんというかな、ナチの非アーリア人種に行った非道と
原爆投下についての詳細な陳述、南方戦線での飢餓に触れるくだりが、
グロくてグロくてリアルというか、なんというか
臓腑を嬲られるような嫌悪と痛みを催す描写があるかと思えば
その戦争にわけもわからず駆り立てられる若者が
若者だからこそ、打破されていく現状
あっけらかんとそれでいて先へ進もうとする力とか
なんだよ、昔からあるテーマじゃんみたいなことが
これでもかと繰り広げられて、これを読んで
ああ、若いってすげぇな、命って素晴らしいなとか思ったりするあたり
俺が年を重ねたせいではないかとか思わないでもないような
ステキな内容でございました
ネタバレとかになるといけないので
彼女について語れないのだが、彼女について語れないとなると
物語の大半が語れない難儀な小説
様々な男共と、錯綜する大人の事情
それをわけもわからず、そんなの違うだろバカ、と言ってしまう若造の主人公
どれもこれも人間の困惑ぶりと
結局本質的には、どんな大きな事柄も
人の思い一つで戦局や政局や、戦争そのものが動いてしまうという
壮大さがあって楽しかったのであります
で、まぁ、古い戦争ものと根本的に違ったのは
ローレライシステムというSF設定なんだが
この設定の置き方が、巧妙にヲタクを鷲掴みするような塩梅で
もう、これは読んでもらわねば伝わるまい
分かり易く、そしてあらが多いんだが
物語が盛り上がらないわけがない、そんな具合でありました(何言ってるかわかりません)
と、全く一番語りたいところが語れないので
早々に退散いたしますが、冒頭の通り
田口掌砲長といういかすオヤジが言った言葉が
また鮮烈で、子種を落とすしか能がない生き物が
それでも愚直に生きるという姿
そして、生きている以上、何かしらの責任を勝手に背負い込んで
それにやがて耐えきれなくなるような辛さ
そのあたりまで描かれていて
じんと感動する場面も多かったのであります
こいつは映画も見たいなぁと色々チェックしてたんだが
フリッツ・エブナー少尉が役名に無かったところからして
こいつは別物だと判断
映画がこけて、小説が貶められないことを祈るこのごろです
こいつはあれだ垣根涼介のワイルドソウルに通ずる
あの感じがある、忘れかけた二次大戦ていうのに
ようやく光を照らし始めた、そういう気がする小説であります
子種を供給する以外には生物学的に存在価値もない。
大義や責任といった言葉で己をがんじがらめにしない限り、
男という性は人の世に関われないのかもしれない。』田口掌砲長
この台詞が、否応なく私の内蔵を揺すっていったのですが
読みました、最近話題になってる
終戦のローレライby福井晴敏
すげぇ、超面白かった
何が面白かったって
なんだろうな(ぉぃ
ともかく、もってかれた感じで読めました
久しぶりであります
最初の代名詞である「彼女」という言葉から始まる文面に
少し置いてけぼり感があったんですが
その正体が、どれなのかはっきりした後から
急速に引き込まれて、気付いたらどっぷり読み付けた
長い、長ぇよローレライ、でも面白かったよ
内容は、戦利潜水艦伊705という
機密機関というか、最終兵器を積んだ潜水艦と
第二次世界大戦の終焉についての
長い戦いをつづったものなのだが
もうなんというかな、ナチの非アーリア人種に行った非道と
原爆投下についての詳細な陳述、南方戦線での飢餓に触れるくだりが、
グロくてグロくてリアルというか、なんというか
臓腑を嬲られるような嫌悪と痛みを催す描写があるかと思えば
その戦争にわけもわからず駆り立てられる若者が
若者だからこそ、打破されていく現状
あっけらかんとそれでいて先へ進もうとする力とか
なんだよ、昔からあるテーマじゃんみたいなことが
これでもかと繰り広げられて、これを読んで
ああ、若いってすげぇな、命って素晴らしいなとか思ったりするあたり
俺が年を重ねたせいではないかとか思わないでもないような
ステキな内容でございました
ネタバレとかになるといけないので
彼女について語れないのだが、彼女について語れないとなると
物語の大半が語れない難儀な小説
様々な男共と、錯綜する大人の事情
それをわけもわからず、そんなの違うだろバカ、と言ってしまう若造の主人公
どれもこれも人間の困惑ぶりと
結局本質的には、どんな大きな事柄も
人の思い一つで戦局や政局や、戦争そのものが動いてしまうという
壮大さがあって楽しかったのであります
で、まぁ、古い戦争ものと根本的に違ったのは
ローレライシステムというSF設定なんだが
この設定の置き方が、巧妙にヲタクを鷲掴みするような塩梅で
もう、これは読んでもらわねば伝わるまい
分かり易く、そしてあらが多いんだが
物語が盛り上がらないわけがない、そんな具合でありました(何言ってるかわかりません)
と、全く一番語りたいところが語れないので
早々に退散いたしますが、冒頭の通り
田口掌砲長といういかすオヤジが言った言葉が
また鮮烈で、子種を落とすしか能がない生き物が
それでも愚直に生きるという姿
そして、生きている以上、何かしらの責任を勝手に背負い込んで
それにやがて耐えきれなくなるような辛さ
そのあたりまで描かれていて
じんと感動する場面も多かったのであります
こいつは映画も見たいなぁと色々チェックしてたんだが
フリッツ・エブナー少尉が役名に無かったところからして
こいつは別物だと判断
映画がこけて、小説が貶められないことを祈るこのごろです
こいつはあれだ垣根涼介のワイルドソウルに通ずる
あの感じがある、忘れかけた二次大戦ていうのに
ようやく光を照らし始めた、そういう気がする小説であります