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ケン坊のこんな感じ。
キーボーディスト、川村ケンのブログです。




今回のブルーノート公演は、僕と、松田さんというキーボーディスト二人だけでのサポート公演です。

いつもの安全地帯さんの公演とはまた違って、玉置さんの声を、歌を、基本的に鍵盤の音だけで、包む。

(勿論、曲作りは常にギターでされる玉置さんですから、ご自身がギターをまったく弾かないということはない……かな、さて、どうかな(笑))

 

いやあ、まだ三日間のリハーサルが終わったばかりですが(とはいえ、いちおう、これでリハは一区切りです)、

本当に素晴らしい経験となりました。

 

初日、二日目、三日目と、ものすごい密度と速度で、予想しなかった音楽が生まれ、変化して、

時に抱えきれないエネルギーが溢れるように拡散し、しかし、こうしてちゃんと一つの“完成”に収束ていく様は、

自らが参加しているくせに、まるで傍観者のように言ってしまいますが、

 

……圧巻でした。

 

 

こう書きますと、「ものすごい練習をしたんだろう」と思われる方もおられるかもしれませんが、

基本的に、ほとんどの曲については、

 

えっとね

 

……一日につき、一回

 

 

しか演奏してないんです。

 

勿論、何曲かについては、もっとこうしてみようか、いやまてよ、なら、こういうのもありだね、と、

アイデアが止まらず(笑)、何回か演奏を繰り返してチェックした曲もあります、

 

……が、それとて、その部分を繰り返しただけで、「じゃあ、もう一回、最初からやってみよう」とはならないんですよ。

 

なので、一日に一回しか、ちゃんとは演奏してないんです。

 

そのかわり、その一回の温度の高さたるや、凄まじいものがあります。

そして、その温度ですが、これがまたすごくて「そろそろ、やる?」といって、最初の音が出た瞬間から、沸点。

 

どんな方のものでも、普通、リハというのは、「まずは喉ならしから」とか「モニターチェックで、何曲か軽くやろう」なんて感じで始まるんですよ。

 

でも、玉置さんは、最初のひと声から、完璧に、沸騰してるんですよ。

湯沸かし器とか、電気ポットとか、やかんとか、全然いらないの。

しいてあげれば、音がひとつそこにあれば、反応して瞬時に沸いちゃうんじゃじゃないでしょうか。

 

そして当然、松田さんも、僕も、その速度にしがみつくように乗り、一緒に走り、そのやけどするばかりの温度感を共有しないと、成立しないわけですよね。

音が大きいとか、小さいとか、そういうことじゃなくて。

たった一音、静寂の中に、小さく、スーッと音を落とすだけでも、半端じゃない体力とエネルギーと集中力が必要なのです。

そして、人数が少ない分、ドラムやベースやギターの音が無いのですから、どうしたって、鍵盤一つ(指一本で押さえる、鍵盤一つひとつのことです)の意味も、役割も、相対的に大きくなりますしね。

 

……あ、ひょっとして読んでいて、胃のどこかがキリキリしてきてませんか(書いている僕だけか(笑))?

 

 

でもね、そんな中で、ギューッと演奏して、最後の音が終わって、

「素晴らしかった」と握手を求められてね、

「じゃあ、本番よろしくね!」と帰られた後、

しばらくして

「気持ち良かった!いいステージになるね!いい空気が流れていたよー!」

というメール。

 

 

「楽しもう!泣こう!ケン!!」

と。

 

……嬉しいですよね。

 

そして最後には、改めるように、

「本番よろしくお願いします。ありがとう、ケンちゃん。Peace&Love」

 

と。

 

次に玉置さんの声と僕たちの音を合わせるのは、もう本番の日なのですね

これにお客さんのパワーが加わるわけですから、……その沸点は100度なんかじゃなく、200度、300度……

そうですねー、僕自身、このリハ中に、何度か血が沸騰しそうになりましたが(そしてやっぱり泣きもしました(笑))、

……皆さんが一緒なら、もう、太陽なみに、数千度とかにまで、なるのかもしれませんね。

 

本当に、楽しみです。

本番での、玉置さん、プラス、僕たちの音楽の温度、

そして、

会場の皆さんお一人おひとりの心の温度は、どこまで上がるのでしょうか。

ワクワクしてその日を待ちましょう。

 

とにかく、あとはもう、

 

しっかり食べて(笑)、元気でその日を迎えたいと思います。

 

ではー。



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