放送作家・鈴木おさむの小説「芸人交換日記 イエローハーツの物語」が原作
で、「オードリー」の若林正恭と俳優・田中圭主演で既に舞台化された物語の
映画化です。
監督は「ウッチャンナンチャン」の内村光良が、「ピーナッツ」(2007)以来7年ぶ
りにメガホンを取っています。
高校時代の水泳部で一緒だった田中(伊藤淳史)と甲本(小出恵介)は、卒業後
お笑いコンビ「房総スイマーズ」を結成して数年が経ちますが、いまだに鳴かず
飛ばずで売れる気配がありません。
気がつけばお互いもう30歳にもなっているのに、バイトと営業を掛け持ちする日
々です。
もう後がない二人は仕事場でもあまり言葉を交わさない関係になっていて、甲
本が交換日記を提案、互いの本音をぶつけ合おうと言うのです。
それが功を奏したのかどうか、二人に変化が起きて行きます・・・。
前半は字幕とナレーションを多用して面白くありません。物語や状況は画面を
通じて見る側に判るようにしなければいけないのであって、これでは一種の手
抜きです。
内村監督は、最近の才能もないのに出てくる俄監督よりは勉強していると思わ
れますが、このあたりは次回に期待します。
もともとが薄い感じの原作で新鮮さに欠けますが、後半はやや持ち直して行き
ます。
演出は全般的に優しい目で見て通していますが、ラストは観客を泣かせようと
し過ぎていて逆効果です。もっと笑いながら涙することになる演出をしてもらいた
かったと思います。
よく見ておられる
内村監督は、紀伊国屋ホールで会いました。
「薔薇と海賊」公演の時です。
あーあー勉強しにいらしておられるのだろうなぁぁと「知人が出演していますので」とは仰っていましたが。
ところで、三島由紀夫メルマガで藤井浩明さんの映画特集の案内をしております。ご覧下さい。
映画監督は、やろうと思えば誰でも出来ることだと思います。
ですが、出来ばえはピンからキリまで、一番大事なことは、
お客様が入場料を払って来てくださるかどうかの違いで、
やはり映画は道楽ではダメです。
私もある方から、映画製作だけは絶対にやるなと言われて、
それを守っています。
冷たい雨の一日、著者からいただいたばかりの本を読んでいますが、映画は見る側で作る側には全くの素人ですが、けんさんに忠告なすった方は真底けんさんの事を大事に思っておられる方だと推察しました。何故なら、その中に永田社長に映画化を中止された森茉莉の痛烈な批判は、映画制作の困難さを思わせる一説ではありますから。時代背景が今日であれば、永田社長も許可されたでしょうが、あの当時では?
映画は総合芸術、監督はオーケストラの指揮者のようであるけれど、楽器でなく生身人間が表現者、難しすぎますよね。
テレビで東京の激しい天候を見て驚いています。
また明日は東京のみならず、福岡も同様に天候だそうで、
東京も福岡も気が晴れませんね。
監督に対するbunnさんのご意見承りましたが、今の製作現場を見ていますと、
なんと監督の権威が失われているものかと寂しくなります。