大林宣彦監督が1977年のデビュー作「HOUSE ハウス」より以前に書き上げていた幻の
脚本を映画化し、「この空の花」「野のなななのか」に続く戦争3部作の最終章として撮り
上げた青春群像劇で、檀一雄の純文学「花筐」を原作に、戦争の足音が迫る時代を懸命
に生きる若者たちの友情や恋を描き出す内容です。
1941年、春。佐賀県唐津市の叔母のもとに身を寄せている17歳の俊彦は、アポロ神のよ
うな鵜飼、虚無僧のような吉良、お調子者の阿蘇ら個性豊かな学友たちと共に「勇気を試
す冒険」に興じる日々を送っていました。肺病を患う従妹・美那に思いを寄せる俊彦だった
が、その一方で女友達のあきねや千歳と青春を謳歌しています。そんな彼らの日常は、い
つしか恐ろしい戦争の渦に飲み込まれていき・・・。
大林監督作の常連俳優・窪塚俊介が俊彦役で主演を務め、俊彦が憧れを抱く美少年・鵜
飼役を「無限の住人」の満島真之介、ヒロイン・美那役を「江ノ島プリズム」の矢作穂香、加
えて常盤貴子、長塚圭史、山崎紘菜、柄本時生、門脇麦、武田鉄矢、入江若葉、根岸季衣、
池畑慎之介、白石佳代子らが出演しています。
マスコミや映画批評家が大傑作だと騒いでいて、私のような辛口感想は袋叩きにあうかも
しれませんが、率直に言って映像は素晴らしいけれど、中身はサッパリです。
私は映画会社に20年在籍して教え込まれたのが、誰が見ても理解し、楽しめる感動させ
るのが映画だと教え込まれてきましたので、それからするとこの作品は大林監督の独り善
がり自己満足作品です。老齢で病気を抱えた大林監督作品の最後に近い作品だと聞きま
したから、色々と考えて認めたい褒めたいという気持ちがあったのですが、暗い気持ちで映
画館を出ました。
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