第61回ベルリン国際映画祭で、最高賞である金熊賞(作品賞)と女優賞、
男優賞に輝き、次いで第84回アカデミー賞最優秀外国語映画賞に輝い
たイラン映画です。
加えて脚本・監督は、前作「彼女が消えた浜辺」で、しびれるような演出
を見せてくれたアスガー・ファルハディで、待望の公開です。
物語は、離婚の危機を迎えた夫婦を軸にして、その両親を繋ぎとめようと
する娘や、彼らの問題に巻き込まれてしまうもう一つの家族の物語がから
んで、複雑な人間心理を描き出して行くもので、さしずめイラン版「おとなの
けんか」です。
アメリカ版と違ってイラン社会の軋轢をリアルに描いているので、暗く重い
所がありますが、我々が知らないイラン人の社会とか生活を伝えてもくれ
ていて、面白い(笑わせるという意味でなく興味ある内容の意)作品です。
もちろん主演の二人も素晴らしい演技だし、冴えた演出が楽しめます。
付け加えますと、福岡では毎年アジアフォーカス・福岡国際映画祭が開催
されていて、去年9月の映画祭で上映されて"福岡観客賞"を受賞、福岡で
は多くの映画ファンが既にこの作品を見ていて"やっぱり"の印象です。
いい映画ですのでお見逃しがないように・・・。
(4/21 KBCシネマ 初日 10:00の回 36人)