私が唯一会ったハリウッド女優がマリリン・モンローです。勿論彼女の作品
はすべて見ていますし、今回の映画は彼女の一っのエピソードですが面白
く見ました。
それに思ったより作品の出来も良く、皆さまにもお薦めしたいと思います。
1956年、彼女はローレンス・オリヴィエが監督し共演の「王子と踊り子」撮影
のためロンドンにやってきます。大歓迎を受ける彼女でしたが、初めての海
外撮影のプレッシャーや、当時結婚したてのアーサー・ミラーとしっくり行か
ないし、名優オリヴィエからは冷たくされるしで孤立してしまったのです。
そんな中で助監督のコリンに不安や孤独打ち明けアドバイスを貰うのでした。
以来彼女はコリンを信頼するようになり、次第に親密な関係に発展して・・・。
当時、実際に助監督を務めたC・クラークによる回想録を元に映画化された
ものですが、何処までが事実でどこが創造部分かが今となっては判らない
ものの、モンローだったらさもありなんの内容ではあります。
オリヴィエ役のケネス・ブラナーが驚くくらい本物のオリヴィエに似ていての
熱演と、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされたミシェル・ウィリアムズの
真摯な演技と、モンローぷりが見ものです。
この頃のモンローは30才、女性として一番輝いていた時期で、ミシェル・ウィ
リアムズの熱演はそれなりに買いますが、モンローの放つ独特のオーラまで
は出し切れていない不満が私にはあるのです。
それは冒頭に書いたように、私は新婚でディマジオと一緒に来日したモンロー
を間近かに見て彼女の稲妻に打たれたせいかも知れません。
1954年2月に来日したモンローは福岡にも立ち寄り、那珂川河畔の国際ホテ
ル(その後、日活ホテルに改築)に宿泊、ホテルと道路を渡ったところにあった
ロイヤル中洲店(花の木)2階で食事をしているのです。
その建物自体は現在でも残っている大洋ビル(河畔側)で、1~2階がロイヤル、
3階~5階が大映九州支社だったのです。
当時のロイヤルは大映関係者が自分のレストランのように思っていたお店で、
オニオン・スープや醤油をベースに味付けした塩原ステーキ(コック長の名前
を付けたもの)が好評で、モンローはこのオニオン・スープが特にお気に入り
でした。
私はまだ九州支社に転勤してくる前でしたが、丁度会議で支社に来ていて、
まず共用の階段でモンローと会いましたし、同じ階で食事をしていた・・・とい
うことです。猛烈ファンはそれ以来です。
(3/26 T・ジョイ博多 3日目 13:25分の回 51人)
↑福岡に来た時のモンロー。