
百寺巡礼シリーズも最終回。表紙をずっと載せてきたので、お気づきの方もあろうが、文庫本ではあるが、カバーのデザインがきれいだ。
カバー装画は、”王朝継ぎ紙研究会”とある。昔のお経や、和歌を書いた紙がすばらしいデザインの和紙であることがある。和紙の文化も日本の大事な文化だ。
四国・九州のお寺というと、まず思い出すのが、お遍路さんで有名な四国八十八箇所。本書では、一番の霊山寺と、七十五番の善通寺が取り上げられている。
昔、善通寺の近くの金刀比羅宮にお参りしたことはあるのだが(階段がきつかったのと、○金マークの団扇を土産で買ったので、しっかり覚えている)、善通寺はたぶん行っていないと思う。
お遍路さんは、ブームが続いていると思う。一月ぐらいゆっくり休めたら、全部回れるのだろうか。計算では、一日3寺ぐらい回れば、完遂できることになるのだが。
善通寺は、唐から帰国した空海が、親の佐伯氏から寄進を受けた寺地に長安の青龍寺を模して建立したという。日本で初の真言宗のお寺ということになる。
ほとんどの堂宇は、焼けて、今の建物は、ほとんどが江戸時代のものとのこと。ただ、規模は相当のもの。奥殿は、空海が生まれたところに建つという。法然が四国に流されていたのも、この善通寺。あの有名な満濃池も、善通寺の近くにある。
高野山とともに、空海の匂いが濃密に漂う一帯なのだ。