「39窃盗団」

「サンキューせっとうだん」と読むのだが、このサンキューはありがとうの意味ではない。「刑法」の39条を意味する。この条文は、「心神喪失者の行為は罰しない。心神耗弱者の行為はその刑を軽減する」とある。
発達に障害をもつ弟と、ダウン症の兄の二人が、「バカは悪いことをしても罰されない」と知って盗みを働くと言う筋書きだ。このバカは映画の中で繰り返される兄弟のセリフ。
この根拠は上の刑法39条の条文だ。

しかしなかなか盗みもうまくいかない。あるところで万札数枚を盗んで大パーティをしてみたり、最後には盗んだサイフの中には福引き券しかなかったが、特賞があたって大喜びをするという話。

刑法39条は本当にバカが「おまえたちはバカだから捕まっても罪にならないから安心して盗め」などが有効なのかどうか。

そしてこの特賞は家付き土地という賞品。過疎地で誰も住まない荒れた土地と家をもらってここで働き出すという結末だ。

痴呆症の老人ややはり少々足りない少女(セックスすればカネがもらえるという女)などが脇を固めて面白いドラマ(宣伝文句では「緊張感ゼロのドロボームービー」)。

終わってから、監督の押田さんが挨拶。主役は監督の弟たち、かつてお互いに助け合って暮らしていたことがあった、欲しいといえばおにぎりがもらえた世の中だった、と。
そういうことをつないでみたときこの映画の意味は面白いというより堂々たる社会派コメディー。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« ドラマ「半沢... 「何のための... »