解説: シドニー・ルメットの名作『十二人の怒れる男』を、
巨匠ニキータ・ミハルコフが舞台を現代のロシアに置き換えてリメイクした社会派ドラマ。
ヴェネチア国際映画祭で特別獅子賞を受賞したほか、
アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされている。
継父殺しの殺人容疑がかかったチェチェン人少年の裁判をめぐり、
12人の陪審員がさまざまな思惑を交錯させながら審議を展開。
現代ロシアの抱える社会問題を浮き彫りにした、骨太な味わいのある作品となっている。
(シネマトゥデイ)
あらすじ: ロシア人将校である継父を殺害した容疑にかけられたチェチェン人少年の裁判が開始。
隣人の目撃証言や物的証拠などから、当初は明らかに有罪だと思われていた事件だったが、
いくつか腑に落ちない点があった一人の陪審員(セルゲイ・マコヴェツキー)が、
ほかの陪審員に疑問を投げ、審議は二転三転し始める。
(シネマトゥデイ)
シドニー・ルメットの名作で、リメイク不可能と言われてた作品だそうで
それをロシアがリメイクした映画です。
オリジナルは見たことありません。
作品のノリというか演出は意外と軽い感じで始まるんですが、
(とにかく陪審員たちがよく喋る喋る)
中身は非常に重厚で見ごたえ抜群の力作でした。
チェチェンの少年の継父殺人の裁判を中心に話は進んでいくわけですが
単に有罪か無罪かを陪審員が言い争うだけではなく、その議論を重ねていく中
次第に明るみになっていく事件の全貌に、非常に巧く
ロシアという国が抱える様々な社会情勢とか問題を絡めていくことで
非常に見ごたえある160分という長さを感じさせない仕上がりになってたと思います。
(ロシア情勢をもっと詳しく知ってればもっと楽しめたのかも)
最後まで有罪から変えようとしなかった男の真の理由が明かされたとき、
果たして無罪になった少年がこの後どうなったのか・・・
もしかすると真の黒幕が陪審員の中にいたのでは・・・などと色々考えさせられる結末でした。
ただ・・・私がおバカなだけなんですが、最後の最後でちょっとうまく理解出来ないところが
あって・・・、最後の最後で何か消化不良感が残ってしまった。
歳を取るとありがちな、顔とキャラが一致しないというか、これ誰?みたいな凡ミスを
やらかしてしまいました。
これはDVDでリベンジしたい。
日本でもいよいよ陪審員制度が始まりますが、こんな感じになるんでしょうか?
色々と考えさせられるものがありました。
なかなかお奨めです。
ちょっと長い作品ですが、DVDで家でくつろいで楽しんでください。