豚骨劇場

東北地方大地震により被災された方々に対し、心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復興を心からお祈り申し上げます。

ボルベール(帰郷)

2007年07月19日 12時46分28秒 | シネレポ2007
カンヌ映画祭で最優秀脚本賞と最優秀女優賞を受賞し、
各映画賞を席巻している珠玉のヒューマンドラマ。
母として、娘としてのままならない人生をたくましく生きる女性たちの生き様を描き上げる。
監督は『バッド・エデュケーション』のペドロ・アルモドバル。
主演はアルモドバル監督と『オール・アバウト・マイ・マザー』以来の顔合わせとなるペネロペ・クルス。
アルモドバルらしいビビッドな色彩の中で展開する人生賛歌を堪能できる。

10代のころ母親を火事で失ったライムンダ(ペネロペ・クルス)は、
失業中の夫と15歳の娘パウラ(ヨアンナ・コバ)のために日々忙しく働いていた。
ある日、火事で死んだはずの母親が生きているといううわさを耳にする。
そんな中、肉体関係を迫ってきた父親を、パウラが殺害してしまうトラブルが発生し……。
(シネマトゥデイ)



どうも、この監督とはあまり相性が良くないみたい。
何かイマイチ作品のメッセージが伝わらない。
前作の「トーク・トゥ・ハー」もそうだったが、かなり衝撃的で重いテーマのはずなのに
その衝撃が伝わりづらいんです。
今作も前作以上にショッキングな内容が盛り込まれているのに、
何か、右から左~受け流す~みたいな。
驚くことなくスルーしてしまって、後からああ、そういえば・・って気づくみたいな。

どこか妙にコミカルに描きすぎなんだとおもうんです。
コミカルというか、ノリが軽い感じ。
お父さん殺してしまったり、死んだと思っていたお母さんが現れたり
お母さんの告白もとんでもない内容だし、ペネロペの秘密をショッキングだというのに
何か全体の雰囲気が軽すぎるような気がする・・・

ただ良かったのは、ペネロペちゃん
めっちゃ美しかったです。
実は以前ペネロペ結構好きで、出演DVDを買い集めていた時期もありました。
トム君と別れたあたりから、何か冷めてしまってたんですが、
何かまた再燃しそうなくらい魅力的でした。
ペネロペの代表作と言ってもイイ映画だったのではないでしょうか。

どちらかというと、女性向けの映画だと思います。




明日、君がいない

2007年07月19日 12時22分54秒 | シネレポ2007
その日もいつもと同じ1日のはずだった。
父の期待を一身に担う兄マーカスと、兄に脅える妹メロディ、
マッチョを気取るスポーツマンのルーク、孤立するゲイのショーン、
ルークとの結婚だけを切実に願うサラ、いじめられても卒業まで3ヶ月の我慢だと
自分に言い聞かせるスティーヴン。
心が壊れてしまいそうな秘密を抱え、誰もが窒息寸前だ。
やがて、午後2時37分、校舎の片隅でひとつの若い命が消えようとしていた…。




なんと19歳(当時)の監督が撮った映画だそうです。
確かに若い監督らしい、色んな試みが試された映画でなかなか好印象。

とーーーっても重い内容の映画です。
でも不思議と、引きつけて離さない魅力とパワーを持った作品。

冒頭いきなり一人の生徒が校内で自殺するところから始まります。
(するとこっていうか、した生徒が発見されるところから)
いきなり凄いテンションの高い始まり方で、画面に釘付け!
誰が自殺したのかは、ここではわからない。

それから場面は前日の朝に移ります。
様々な問題や悩みを抱えた6人の生徒たち。
不謹慎だが、この中の誰かが自殺したのだろうと推理するように
見入ってしまう。

時折挿入されるモノクロのインタビューシーン。
一見ドキュメンタリーを見てるような、珍しい試み。
それと時間軸を各人物毎にずらして描き、別の人物の時間軸と交差させることで
人物関係が実にわかりやすく描かれている。
時間軸をいじる手法を使った映画は色々あるが、この映画の描き方は実に巧いと感じました。

そして話が進むに連れて、次第に明らかになるさらに重く深い問題の数々。
表面上何の問題も抱えてないような生徒が・・・・

そしてラストに向かって、話は急加速!もう目が離せない!
果たして自殺したのは誰だったのか!?

予想だにしない、意外な結末が待ってました・・・

監督自身が、友人が自殺したり、自分も自殺未遂をしたりした経験を基に作った映画だとか。
それだからか、並々ならぬ思い入れの深さが素晴らしくパワフルな映画を誕生させたって気がします。

かなり重い話で色々考えさせられましたが、素晴らしい映画でした。