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お祭り

<前夜>


 この町に生まれ育って50年、年に一度のお祭りが近づくと自然に心が浮き立つ。何の進歩もない下らぬ町だと思うこともたびたびだが、やっぱりこの町が好きだ。もうそれは己の心の中に組み込まれた当たり前のことのようで、祭りの前夜、町の中心に飾られた提灯に灯がともされたのを見たら、ワクワクしてしまうのだからどうしようもない。

<1日目>

 3時まで塾の授業をしたら、もう気持ちはお祭りモード。妹と弟の家族を呼んであったので、しばしの宴会が始まった。久しぶりに会った双子の甥と姪はずいぶん大きくなった気がした。我が家に来る前にお祭りを楽しんできたため、お面やおもちゃをいっぱい買ってもらったようだ。元気満々の子供たちを見ているだけで楽しい。

 

 お祭り1日目のメインはやはり花火だ。各地の夏祭りで上げられる豪勢な花火とは比べるべくもないが、私たちにとっては一番の花火大会だ。これを見なくてはお祭りという気がしない・・。

 


<2日目>

 午前中授業をした。このところへバリ気味の受験生に喝を入れなければ、という思いで、お祭りでもあえて授業をした。私の思いが通じるように心を込めたつもりだが、どうだろう・・。
 などと思ってみてもやはりお祭りはお祭り、午後からは妻の妹家族がやってきて、BBQを楽しんだ。いつもなら、写真を撮って、このブログに載せようと思うのだが、どういうわけかまったく失念していた。あっと気がついたら、もう火が消えていた。途中で親戚の家まで行ったりしてバタバタしていたのが行けなかったのかもしれない。さすがにこのままではお祭りの一端も味あわずに終わってしまう、と少々焦って、暗くなってから終了間際のお祭り会場まで自転車で走って行った。

 

 もうほとんどが店じまいの準備をしていた。今年の人出はかなりのものだったようだが、この時間になると人影もまばらだ。「今年のお祭りも終わりか・・」などと少しばかり感傷的になったが、また一年頑張って来年のお祭りを楽しめるようにしなければ、などと気持ちを高めたりした。
 私のような土着民にとっては、このお祭りが一年の中心なんだな、と改めて思った。
 
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