議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

電子マニフェストの新規機能

2017年07月27日 23時24分06秒 | ニュースクリッピング
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ダイコー事件をきっかけに、電子マニフェストの機能強化が促されて
います。

6月からリリースされた機能ですが、
①契約書と電子マニフェストの整合性チェック
②積保でないのに有価物拾集量欄に記入があった場合の警告
がされるようになりました。
http://www.jwnet.or.jp/jwnet/new_system/dtct_index.html

①は、事前に排出事業者が登録した契約書情報と違う内容の
マニフェスト情報を登録したらNGになります。
排出事業者が間違いを犯したら教えてくれる、ということです。

ただ、これが不適正処理や横流し防止になるとは思えません。
最初に、義務でもないのに排出事業者が、事前に細かな設定をする
必要がありますし、そもそも中間処理業者に到着した後の
横流しを防ぐ機能ではありません。
まじめな排出事業者にとっては、違反を未然防止する機能
としては使えますが、電子マニフェストのASP事業者のサービスでも
同様のことができますので、真新しい物でもなく・・・

②は積替え保管の際に、有価物を抜き出して売り払った場合に
記入するための欄に、中間処理業者が記入したら「入力方法が違うよ」
と教えてくれるものです。
ダイコーが中間処理なのに、転売したところ、バカ正直に入力して
いたからできた機能ですね。
もちろん、この機能があったとしても、ダイコーは入力不要だと
いうことに気付いただけで、不適正処理を防ぐ機能にはなりません。

というか、
「これまで入力できる仕組みだったんかいな!!」
という突っ込みを受けそうな話でもあります。

結局は現実世界と電子マニフェストへの入力内容を強固に連携させる
仕組みがないと、虚偽の記入などいくらでもできるのです。
現場を知っている人間には、そんなことは当たり前なのですが、
ダイコーのおかげで、現場を知らない人でも分かりやすく
実証されたのです。

現実世界と電子マニフェストを強固に連携させる具体的な方法には、
ICタグの導入や、GPSとドラレコと工場入り口の監視カメラを連動
させてAiが常時監視するとか、IoTを活用するとか、
お金はかかりますが方法はあります。

実際、電子化が進めば進むほど、そのようなシステム投資の効果は
上がるでしょう。各方面からの話を聞くと、どうやら環境省は、
かなり本気で電子マニフェストの導入を推進しているようです。
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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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電子マニフェストの普及率が50%を超えます。
http://www.jwnet.or.jp/jwnet/about/regist.html

「年間総マニフェスト数を5,000万として電子化率を算出」
という根拠には異論もありますが、普及が進んでいるのは確かです。

でもどこかで頭打ちになるでしょう。
その時になってもしぶとく紙を使っている所は、少量発生の、
小規模な事業所で、危険なものは扱っていないと思います。
そんなところは紙マニフェストも運用不要にしていい
ような気がします。
それどころか、そもそもマニフェストなんか使ってもいないところも
残るはずです。そんなところもマニフェスト対象から外すように
したらいいんです。当事者は産業廃棄物だという認識すらない可能性
もあります。あわせ産廃など、その筆頭でしょう。

そうすれば、普及率100%になるでしょう。
韓国も台湾は、初めからマニフェストの対象が限定されているから、
電子化率が高いのです。

日本も、同様にメリハリの利いた規制にできるはずです。
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