議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

研修に行ってきました[3]

2006年07月20日 23時11分09秒 | コンサル日誌
チビローです。
今日は廃棄物処理の技術論三昧の日でした。普段はあまりお目にかからない、し尿処理やら最終処分施設やらの話は勉強なりました。

 知識面で勉強になったことは色々ありましたが、行政の方の考え方・関心事の一端に触れたような気がしたのが一番の収穫でした。
 廃棄物行政って想像以上に「調整」に悩まされる仕事のようです。限られた予算、人口減による税収減、議会対策、住民対策・・・。3Rだ分別だと言いながらも、公衆衛生の向上が廃棄物処理法の目的であるため焼却処理への理解も深いのに驚きでした。先進的な自治体もありますが、たいていは循環型社会を作ろうという意気込みどころではないのが現実なのかもしれません。

 行政が循環型社会構築のシナリオを描くのを待つより、企業が行政を引っ張るくらい先を行くのが望ましいのだろうなぁと感じた一日でした。
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エコバッグ回収_3

2006年07月20日 22時22分42秒 | 政策提言
 再び、エコバッグ回収の話です。(詳しくは前回の記事をご覧ください)

■□今回のエコバッグ回収について□■
 この手の企画自体は、発想としてはそれほど真新しいものではありません。現場ではよく出てくるアイデアです。しかし、「これはヤバイ」と皆さん気づかれてストップがかかるのが通例です。
 今回は、関係者の方が幸か不幸か「知らぬが仏」状態になっていたのでしょう。何の疑問もなくはじめてしまったわけです。しかしこれこそが普通の感覚かもしれません。
 (もしや疑問があったにも関わらず、総合判断して実施したのでしょうか。であれば、堂々たるものです。敬服に値します)

■□環境省の方も賛同されてますし□■
 それに、チビコト(ソトコトに付録で付いてくる小冊子です)10ページでは、環境省の土居健太郎という方が好意的なコメントを寄せています。やっぱり、いいことなんだと思います。私もイベントとしては賛成です(LCA的には問題があるかもしれませんが)。

■□いつもの持論ですが□■
 しかし、いずれにしても、今の廃棄物処理法ではメーカーによる使用済み製品の回収が進みません。普通であれば、間違いなくしり込みするからです。われわれも相談を受けたら、まずはブレーキを踏んでしまいます。
 使用済み製品回収を支援する「広域認定」という特例制度がありますが、こんな管理コストが高いものは大企業でしか導入できません。これについては、私とチビローが作成を支援した、クリーン・ジャパン・センター発行の「自主回収システムに係る法規制と特例制度の活用に関する調査研究報告書」をご参照ください。

 もっと簡便な特例制度が必要です。もちろん、収集運搬業の許可を国レベルで運用すれば問題の大部分は解決するのですが。この辺いかがお考えでしょうか、土居さん。使用済み製品の回収を促進するような、もう一歩踏み込んだ制度を検討されませんか?
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