塵埃日記

つれづれなるままに、日々のよしなしごとなど。

時代劇の間違い:「であえ~」といって出会うのは?

2010年10月20日 | 徒然

 今回は駄文です。水戸黄門の新シリーズが先週から始まったそうですね。だからといって観ているわけではありませんが。

 水戸黄門に限らず、時代劇というものは多かれ少なかれツッコミどころには事欠かないドラマです。将軍様が江戸市中をぶらぶらしてるわけがないとか、実戦で剣を振るった数少ない剣豪である柳生宗章や足利義輝でさえ命を懸けても十数人を倒すのが精一杯だったのに、そう簡単にバッタバッタと敵をなぎ倒せるわけがないとか、黄門様は諸国漫遊どころか関東から出たことがないとか。

 そんななかで、今回はちょっと穴場(?)と言えるかもしれないツッコミどころをご紹介しようと思います。水戸黄門なんかでは、舞台は割と地方の小都市であることが多いです。そこでは、藩の目の届かない出先の代官所で、お代官と地元の商人、そしてゴロツキの親分が結託して住民を搾取しようとする、というお決まりの構図が展開しています。さらにそれを暴こうとする主人公らとの間で乱闘になるのが常です。このとき、「曲者じゃ、であえ~であえ~」の掛け声とともに代官の左右からわらわらと部下の武士が出てくるさまは、想像に難くないと思います。

 ところが、このシーンに1つ確実なウソがあります。それは出てくる部下の数です。みなさんは、代官所のような出先機関にどのくらいの人数がいたと思いますか?江戸時代の大名の領地というのは結構モザイク状で、あちこちに飛び地がありました。ですから、大名や旗本は遠隔の飛び地や交通の要衝などに陣屋を設け、政務をある程度代行させていました。城めぐりという趣味から、僕はいくつかこういった陣屋の跡を訪ねたことがあります。そこで毎回知るのは、普段詰めていた役人の数のあまりの少なさです。

 まず代官と呼ばれる陣屋の責任者が1人。そして大抵、それに加えて役人が2~4人程度しかいないというのです。確かによくよく考えれば、各藩とも財政が厳しいなか、そんなにやることは多くないだろう飛び地の陣屋に無駄な人員を配置するはずもありません。ですから、全部で4、5人いれば飛び地の統治など事足りたのでしょう。

 つまり、どんなにあくどい代官がいて、そこに正義のヒーローが乗り込んだとしても、飛び出して襲い掛かってくるのはほんの数人ということになります。このことは、おそらく他の時代劇にも当てはまることだと思います。当然、時代劇としてはまったくサマにならないわけですが、まぁ本当に時代性を考えればこんなものなんでしょうね。

 ちなみに僕は最近、必殺仕事人にハマっています。。