塵埃日記

つれづれなるままに、日々のよしなしごとなど。

閑けさや 岩にしみ入る 城の跡

2010年10月09日 | 徒然

 三連休は雨のスタートとなりました。涼しいを通り越して少々肌寒いくらいで、衣替えの面倒くさがる小生としては戸惑いの季節です。

 さて前回、城跡を見るためだけにとしまえん遊園地に行った話をしました。天守閣のある城で入城料を払うのは当たり前ですが、城跡を見学するために遊園地の入場料を払うというのは、やはり抵抗のあるものです。前回記事でご紹介したビアフェスタは、明後日がラス日です。明日も雨のようですが、明後日は晴れるようなので、予定の空いている方は検討されてみてはいかがでしょうか。

 僕のような中世城郭ファンは、登山道がまったくないとか崖が崩落しているといった、物理的に到達困難な城跡は素直に諦めますが、多少の藪や獣道くらいなら掻き分けて進みます。しかし、物理的に到達困難な城というのはそう多いものではなく、当然ながらたいてい人里離れた深山幽谷の奥にあります。それとて、待っていればそのうち道が整備される可能性はあります。そういった意味では、自然の力の前に永久に到達できない城というのはありません。そもそもその城を作った人がいるわけですから。

 実は、城郭ファンにとって恐れるべきは自然の力ではなく、やはり人や法の力なのです。物理的には容易に辿りつけるにもかかわらず、法や権力の前にそれが許されない場合というがあります。としまえんの練馬城址のように、銭を払えば見られるというのはまだ良い方で、法的国家権力的な理由でいかんとしても訪れることのできない城というのがままあるのです。今回はそんな城跡の例をいくつかご紹介しようと思います。

パターン1:私有地にあるため立ち入れない城
例 山寺城(滋賀県草津市)

奥の丘が城跡です。手前に立ち並ぶ民家に不法侵入しない限り近づけません。


パターン2:城跡に建てられた施設の性格上立ち入れない城。
例 若林城(仙台市若林区)

現在は宮城刑務所となっています。さしもの私も、赤い塀の向こうにはお世話になりたくありません。


パターン3:国家機密なので。
例 南目館(仙台市宮城野区)

陸上自衛隊仙台駐屯地の敷地内にあります。当然見学はできません。


パターン4:宮内庁が城跡周辺を管理している場合。
例 伏見城(京都市伏見区)

明治天皇陵になっているため、城跡のほとんどが見学不能です。古墳を利用した中世城郭というは多いので、このパターンは結構あります。

 いかがでしょうか。今回ご紹介したのは、僕が写真を撮ったもののなかからチョイスしたもので、実際にはもちろんもっとたくさんあります。だからといって、これらの城跡を今すぐ見学可能にしろ~とかいっているのではありません。ただ、世の中にはそこが現在何に利用されているかにかかわらず、その土地に思わぬ理由で用がある人というのが往々にしているのだということを、ご承知置きいただきたいのです。

 以上、本日は駄文のみ。