JF4CADの運用日誌2.5

アマチュア無線局JF4CADの活動内容紹介ブログです。

伊豆諸島の秘境・豆南諸島

2011-08-10 | シャック便り

先日八丈島の移動運用メモで豆南諸島について「10006(八丈)であることに間違いがないが所属未確定」とご紹介したところ詳しい説明が欲しいとのことで問い合わせが来ましたので掘り下げてご紹介します。

 
豆南諸島とは青ヶ島より更に南に点在する無人島群で、鳥島・スミス島・ベヨネース列岩・孀婦岩から成ります。古い方ですと明神礁をご存知かと思いますが、もし明神礁が海中に没しなければ豆南諸島の島となっていました。

豆南諸島は一時期人が住んでいた鳥島を除けば居住困難な岩礁ばかりです。青ヶ島村が「うちが一番近いからうちの村域」と宣言したのですが、八丈町が「小さな青ヶ島村に管理なんてできないからうちの町域にするのが妥当」と対抗しお互い譲らないために未確定のままになっています。

ということで東京都総務局の出先機関である八丈支庁が管理することにしているようです。管理といっても実際のところやる仕事はなく、ほとんど何もしてないらしいんですが。

 
アマチュア無線では過去に鳥島からの移動運用が数例あります。また孀婦岩への上陸の際に支援の船との間でトランシーバーを使ったという記録があるので、これがもしアマチュア機であれば孀婦岩からのQRVもあったことになるかと思います(連絡目的のみでしょうけど)。

 
この豆南諸島はいずれも定期船がなく一般人ではまず行くことは不可能ですし、小笠原行きのおがさわら丸も通常は付近を夜間に航行するため見ることも難しいようです。たどり着くには船をチャーターする必要があります。移動運用は非常に困難ですが、それぞれの島について北から南の順で現況を簡単に紹介します。

 

[ベヨネース列岩]
明神礁の至近にある高さ数mクラスの岩礁で、「ハロース(波浪の巣)」の別名を持つ通り付近は波が高いことで知られています。有人島の青ヶ島からは一番近いんですが波にさらわれる危険があるので渡島は難しいでしょうね。

 
[スミス島]
烏帽子のような形をした島で、風化が進んだのか地質が脆いのか近年地震によって島の形が何度か変わったようです。まれに釣りで行く人がいる模様で、一番上陸しやすいと言われています。

 
[鳥島]
豆南諸島最大の島で、現在ではアホウドリの営巣地として知られています。自然保護に加え活火山があり危険なため現在は学術調査などで許可がないと上陸できません。ところが昭和40年までは鳥島に気象観測所があり、つてを頼れば上陸できたようです。

この当時鳥島に上陸し「/JB8」というコールサインでQRVしたグループもあったようです。もちろん「/JB8」は日本の当局が発行したものではなく非公式なものでした。

現在でも数年に1回ペースで1エリアのクラブ局が上陸時にQRVしています。学術調査のついででQRVされているのでしょうか。このため、豆南諸島では一番QSOしやすいかも知れません。

 
[孀婦岩]
高さ約100mの丸太棒のような岩が大海原に突き刺さっているような島です。世界的に見ても奇景なんですが、知名度は非常に低いようです。ここに上陸というか登頂したのは早稲田大学など過去に数例しかないらしいです。こんな島がかつてのJIIAではリスト入りしていましたが移動運用は到底無理ですよね。

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2 コメント

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過去なQRVの実績は別として、ぜひ上陸してみた... (JS1WIM)
2011-08-11 06:01:39
過去なQRVの実績は別として、ぜひ上陸してみたい島ですね。
ただ定期船が無い故、当方は無理とあきらめています。
人が住んでいれば、仕事の関係でなんとか渡航もできそうですが、無人となれば完全にNGです。

昨日久米島から那覇に入りました。現地でトラブルがあり、無線に出る機会を当初の半分ぐらいなくしましたが、3.5/7/21MHz、奥島からもQRVできて良かったです。久米島は久米高校の南方の船着き場、奥島は夜間海亀館の駐車場。オーハ島は渡航できずでした。
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オーハ島については当面渡島は控えた方がいいです... (JF4CAD)
2011-08-11 06:47:07
オーハ島については当面渡島は控えた方がいいです。どうやら例の英会話講師殺害事件以降興味本位で島に行こうとする者が相次いでおり、島の人が困っていると聞きます。
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