JF4CADの運用日誌2.5

アマチュア無線局JF4CADの活動内容紹介ブログです。

沖縄移動運用報告⑥

2016-06-06 | 移動運用結果報告
5/22(日)名護→運天港→伊是名
いよいよ伊是名に向け出発です。今朝は雨が少し降っています。

伊是名村は沖縄県北部にあり、人口は約1,500人。サトウキビや米の栽培、モズクを中心とした水産が主産業です。近年は修学旅行生の民泊を進めています。北部では伊江島が最初に修学旅行生の民泊を始め、中には大人になって島を再訪する人が出るなど着実に成果を上げており、これを見て伊是名も始めたみたいです。

以前にも説明した通り伊是名村とお隣の伊平屋村は北部にあるのですが、国頭郡ではなく島尻郡となります。これは琉球王朝第二尚氏の祖である尚円が伊是名(当時は伊平屋の一部)の出身であり、王府の直轄地であったことに由来します。


今年3月に別グループが伊是名からQRVしていますが、50MHzのEsシーズンではないため50MHzのQRVはなかったでしょうね。あえて梅雨に沖縄移動を持ってきているのは50MHzをメインにするためでもあります。もちろん開けば爆発的に局数が伸びますので面白いですよね。


伊是名島へは今帰仁村の運天港から村営フェリーが1日2往復あります。運天港10時30分と15時30分発です。名護から運天港へはやんばる急行バスに乗っても行けますが、このバスが開業する以前のクラシックなルートを使ってみます。

名護バスターミナルから北部支線の66番に乗り今帰仁村の仲宗根で下車、近くにあるタクシーの営業所からタクシーに乗って運天港に向かうものです。やんばる急行バスの開業前はこのルートが一般的で、情報の古いサイトでは今もこのルートが紹介されています。もっと前、2002年までは71番運天線という名護バスターミナルから運天港に向かうバスがありましたが、北部支線の抜本的な改革の中で廃止されています。フェリーの時刻とは無関係なダイヤで使い物にならなかったとも言われています。


名護を少し早く出れば運天港でもQRVできます。運天港のある今帰仁村は比較的レアで呼ばれるようですから今帰仁村でも少しQRVしてみます。

今日は日曜のため伊是名行きに間に合うバスは名護BT 07:20→仲宗根 07:51、名護BT 08:20→仲宗根 08:51の2本があります。万一仲宗根でタクシーが見つからなくても今帰仁村役場まで歩けば9時18分のやんばる急行バスに乗れますから何とかなるでしょう。昨日のコンディションが悪かったため7時20分発に乗って今帰仁での時間を取るつもりです。


名護市役所前からバスに乗りましょう。が・・・66番のバスは何とバス停を素通り。慌てて追いかけたら止まってくれました。どうも後続の111番に乗るものだと思い込んでいたようです。

名護の市街地を抜けるとバス停同士の間隔がばらついてきました。300mくらいのところもあれば数km全くバス停がないこともあります。人が居ないのでしょうね。もちろん乗客は私だけ。

30分で仲宗根に到着。付近には役場もあり今帰仁村の中心みたいです。

確かにAコープ今帰仁店のそばに三笠タクシーの営業所がありますね。何台かタクシーが止まっており事務所に運転手が常駐していますからすぐに車を出してくれます。運天港まで5分ほどで到着。意外近かったです。


伊是名行きの運天港出航は10時30分。十分な時間がありますから昨年同様今帰仁村から少し出てみます。18/21/50のどれか1バンドのみで勝負となります。昨年は雨で伸縮ポールを上げることができず、情けないほどへろへろの状態で張ったダイポールでのQRVでした。国内向けでは十分な飛びとなるダイポールでも地上高がないとダメですよね。港の前にある東屋に機材を置いてQRVします。運天港は港以外何もないところで船の発着時間以外は閑散としており、特に何も言われません。

小雨なのでゴミ袋で防水してから伸縮ポールを固定し18MHzのアンテナを設営します。8時30分にスタート。

うーん・・・今朝も今ひとつ。呼ばれはしますが散発的でQSBも大きく苦戦です。去年の今帰仁も全く同じパターンでしたね。

QRV中にやんばる急行バスの1便目が運天港に到着。お客1人を下ろして車庫に引き上げてゆきました。車庫は運天にあり船上からですとよく見えます。ちなみにターミナルは雨漏りの補修中だそうです。2008年に完成したターミナルが早くも雨漏りで補修が必要って・・・

途中から雨が弱まったので伸縮ポールを4.5mに伸ばしたものの、これでも状況は変わらず。Condxがよくないですね。50MHzも開いており、裏技で18MHzのダイポールから送信。何局かできます。雨が降ってなければ2エレを展開した方がよかったですね。

ただCondxは上向かずこれ以上はダメと判断し撤収することにしました。今帰仁村からは18MHzで15局、50MHzで9局の計24局でした。


運天港のターミナルに入り乗船券と弁当を買います。10時に「フェリーいぜな尚円」が伊是名から到着。折り返し10時30分発となります。

「フェリーいぜな尚円」は2015年に佐世保の前畑造船で建造された971tの船です。まだデビューして1年経っていない新鋭船でして伊是名の仲田港までは55分かかるとのこと。2015年は尚円王の生誕600周年で、それを記念して尚円王の名前を船に付けています。日本では極めて珍しい個人の名前が付いた船です。

もちろん船内も尚円王だらけで伊是名島にとっては大きな誇りなのでしょうね。私は座敷で寝てる方がいいので座敷で場所を確保し横になっておきます。利用客が非常に少なくガラガラでした。

和室でお弁当を食べるのは申し訳ないくらいきれいなのでデッキでお昼にします。沖縄らしい薄いとんかつを使ったカツ丼です。なぜか野菜炒めが乗っているのも沖縄のカツ丼ならではですね。これで350円です。

沖縄の離島フェリーでは最速」との触れ込みですが、19ノットなのでそんなに速さは感じません。伊平屋より運天港に近い訳で所要時間が劇的に短縮される訳でもありませんから伊平屋に対するライバル心だけなのかも知れませんねHi


11時25分に伊是名の仲田港に到着。足かけ9年で沖縄の離島市町村全ての訪問を達成できました。仲田港は島の東側中央付近にあり、港から西に中心集落の仲田集落が広がっています。役場や郵便局などは仲田に置かれているようです。

宿は仲田の「なか川館」にお願いしています。ここか港にある「美島」で考えていましたが、村の中心にある方が何かと便利なため「なか川館」にしました。迎えに来てくれました。

「なか川館」の付近は高台になっており、役場や小学校などが村の中枢が集まった場所にあります。


宿に使わない荷物を下ろし徒歩数分の公園に行ってみます。東屋があることはつかんでいましたがどうもこうもアンテナを立てるスペースがありません。こりゃダメなので浜辺にある東屋に変更。坂を下って浜辺に向かいました。

仲田の集落はこんな感じです。のんびり感は伊江島に近いのですが、開放感がある伊江島の集落とは違って道が狭くごちゃごちゃした感じがします。伊是名は戦争の被害をほとんど受けなかったため昔の地割りがそのまま残っているんでしょうね。

集落から外れたところに浜辺が整備され東屋があります。こちらはいい感じでアンテナを立てられます。早速50MHzと21MHzのアンテナを立てましょう。12時20分にスタート。

午前中は全然ダメなCondxでしたが、午後は一転して念願の50MHzが開いています。1エリアが中心というかほぼスポット的に1エリアが開いています。それでもどんどん呼ばれます。

他のエリアがあまり開かない中3エリアでいつもお世話になっているJR3LSE局ともQSOできました。LSE局はこの伊是名で50MHzでの沖縄県全市町村QSOを達成されました。おめでとうございます。スタート30分で43局で、その多くが1エリアです。

小一時間で50MHzは呼ばれなくなってきました。21MHzにQSY。こっちはまだ強力ですし、7~6エリアまで広くオープンです。

まだまだ21は呼ばれるのですが、途中で雨が降り始めました。21MHzのダイポールと50MHzのHB9CVは防水をしていないためQRXしてアンテナを下ろしました。今帰仁でのQRVの際に18MHzのアンテナは防水してあったので18MHzに張り替えです。


15時からは18MHzで再スタート。ややQSBが大きいもののこちらも西日本中心で開いてくれます。途中で「50MHzがオープンしている」とのことでしたので再度50MHzへ。今度は西日本中心でオープンです。30分ほどで22局QSOして呼ばれなくなったため再び18MHzに戻ります。


伊是名はハブがいないので蚊除けさえすれば日暮れまで安全にQRVすることができます。18時30分くらいまではできるでしょう。

そういえば今日は「笑点」の歌丸師匠最終回ですが、沖縄には日本テレビ系の民放がないためリアルタイムで見ることはできません。師匠のように50年ずーっと同じ番組に出演し続けることができた人って幸せですよね。ちなみに沖縄ではRBCで土曜午後に「笑点」を放映しており週遅れで見ることができるそうです。同じ日テレ系でも鉄腕dashはOTVで放映しているなどバラバラで、滞在中は録画しておくのがいいと思います。

補助バッテリと817の内蔵バッテリを使い果たし、メインバッテリのみとなりました。18時を回って送信時の電圧が12V台まで落ちておりそろそろ使い果たすでしょう。撤収したいと思います。

6時半のかねがなったら帰りましょうね。伊是名からは18MHzで102局、21MHzで94局、50MHzで82局の計278局でした。


夕食は宿で。揚げた魚や刺身、野菜の煮物に茶碗蒸しやもずくなどおいしいし豪華です。あわせて追加で泡盛の「常盤」を出してもらいました。伊是名でも伊是名酒造が泡盛を造っており、「常盤」「金丸」といった銘柄で出しています。常盤は旨口の泡盛で普通酒でも十分においしいです。金丸は尚円の元の名前であり、お酒の名前はこれに因んだのでしょう。

家臣であった金丸がどのように琉球王朝の国王になったのかは歴史書に詳しく記されておらず謎なのだそうです(クーデター説が有力)。ただ金丸の子孫は第二尚氏として薩摩に支配されながらも明治の琉球処分まで国王として君臨、その後は侯爵となりご当主は現在東京にお住まいだそうです。


バッテリを充電し寝ることにします。日が落ちると目の前の県道を通る車もなく静かです。


本日は今帰仁と伊是名を合わせ18MHzで117局、21MHzで94局、50MHzで91局の計302局でした。ありがとうございました。
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