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見もの・読みもの日記

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男子フィギュアスケートの魅力/雑誌・Number「銀盤の決闘」

2017-12-14 22:55:20 | 読んだもの(書籍)
〇雑誌『Number』2017年12月21日号「銀盤の決闘(デュエル)」 文藝春秋 2017.12

 雑誌『Number』なんて、数えるほどしか買ったことがないのだが、十数年ぶりに買ってしまった。はじめはSNSに、マンガ家の江口寿史氏が描いた羽生結弦選手のイラストがいい!という評判が流れてきたので、それだけ立ち読みで確かめようと思い、書店で本誌を探した。お目当てのイラストは「Score Card」というコラム集のページに添えられていて、確かに美しかった。

 しかし、それ以上に表紙の羽生くんの写真がカッコよくて惹きつけられた。ふだんは彼の表現する「美しさ」に気をとられているのだが、表紙は猛々しいアスリートの顔をしている。やっぱりスポーツグラフィック誌ならでは捉えた方だなと思った。特集で取り上げられている男子フィギュアスケート選手は5人。羽生結弦、宇野昌磨、ネイサン・チェン。ここまでが「男子トップ3」と呼ばれている。

 そして、ハビエル・フェルナンデスと金博洋(ボーヤン・ジン)。26歳のフェルナンデスはもう若手ではなく、平昌で集大成を求められる年齢なのだな。ボーヤンへの取材記事(選手寮の自室でくつろぐオフショットあり!)を読むのは初めてで、とても興味深かった。お母さんや付彩妹コーチからも話を聞いている。2022年の冬季オリンピックは北京なのか。中国男子フィギュアの歴史に画期をつくるような選手に成長してほしい。

 読み応えがあったのは「日本男子フィギュアの歴史と羽生結弦。」と題して、都築章一郎コーチに取材した記事。佐野稔を育て、羽生結弦の才能を見出した「名伯楽」であるが、60年代末、ソ連(現ロシア)のモスクワでの大会に赴き、選手たちの技術力もさることながら、老若男女が演技を楽しみ、選手に声援を送っていることに驚く。当時、「日本では試合に来るのは関係者のみと言ってよかった」のである。そこから、いつかこんな素晴らしいスケーターを育てたい、スケートを日本に根付かせたい、という気持ちで、都築の挑戦が始まる。こういう人がいたから、今の日本のフィギュアスケートの隆盛があるのだなと思った。感謝しかない。

 「プルシェンコが語る男子フィギュア新時代」も熟読した。「フィギュアスケートは、氷上のバレエではなく、競技スポーツ」という言葉は、高い芸術性を表現し得たプルシェンコの言葉だから、よけいに重みがある。でも同時に「天候が悪い日は、傷跡の全てが痛みます」という満身創痍の告白を聞くと、技の高度化が選手の肉体を痛めつけ、怪我を多くしていることに疑問や戸惑いを感じないでもない。それでも技術の高みを目指して進む彼らに、本当に拍手を送ってよいものか。
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