見もの・読みもの日記

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地図と写真で歩く/真田一族(平山優)

2016-09-08 22:25:40 | 読んだもの(書籍)
○平山優執筆・監修;サンニチ印刷真田丸プロジェクト企画・編集『戦国サバイバルを生き抜いた真田三代の軌跡:真田一族』 サンニチ印刷 2016.3

 NHK大河ドラマ『真田丸』が、まもなく関ヶ原合戦を迎え、佳境に入っている。私は、久しぶりに初回から一度の見逃しもなく、完走中である。正直なところ、どハマりの回はないのだが、毎回、何かの見どころがあって、ハズレ回が無いのはすごい。本書は、4月に山梨県立博物館の『武田二十四将』展を見に行ったとき、今年の大河視聴の参考になりそうだと思って、ミュージアムショップで購入した。執筆・監修の平山優氏は『真田丸』時代考証担当のおひとりである。

 私は戦国時代の歴史には詳しくない(あまり関心がない)が、池波正太郎の『真田太平記』は、以前、夢中になって読んだことがある。だから、真田昌幸と息子の信之(信幸)・信繁(幸村)が、このあとどうなっていくかはだいたい分かっている。真田家初代・幸隆(幸綱)のことは、やはり大河ドラマ『風林火山』で覚えた。その程度なので、本書から学ぶことは多かった。

 カラーイラストや写真を多用したムック本の形態だが、内容はオーソドックスで(面白半分に俗説や風説を取り上げたりしない)、文章もしっかりしていて安心して読めた。『真田丸』関連本ではないので、幸隆の事蹟が詳しいのはありがたかく、必然的に武田氏についての解説が多いのも嬉しかった。発行元の「サンニチ印刷」は甲府にあって、山梨日日新聞社(山日)の関連会社らしいから、武田びいきなのは当然だけど。

 地図と写真では、長野県上田市の真田の郷、岩櫃城のある群馬県吾妻郡などを興味深く眺めた。いつか行けることがあるかしら。かなりマイナーな史跡まで、ちゃんと写真が載っていてうれしい。そして小さな写真でも、対象の史跡や寺社・屋敷・城などの印象がいちばんよく分かるものを選んで使っている。編集者の心遣いと心意気が伝わってくるようでうれしい。

 甲府・上田・九度山は何度か行っているので、だいたい分かる。意外と知らなかったのは、大阪の地図。「真田丸顕彰碑」があるのは、たぶん私が一度も行ったことのない一帯だ。信繁が討たれた安居神社は、漠然と天王寺公園の近くだと思っていたが、よく行く大阪市美術館からは少し離れていることを認識した。歩くのに都合のよい気候のときに、まとめて史跡散歩してみたい。
 
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