11/1(日)冷泉家住宅の特別公開を見に行った。毎年、この時期に公開されているのは知っていたが、期間が短いので、なかなか機会がなかった。しかし、今年は『冷泉家 王朝の和歌守(うたもり)展』に感激して、どうしても行きたくなったのである。
表門の四隅に乗る玄武。それぞれ表情が違う。塀の外側(正面は御所)を向いているものは端然と構えているが、内側を向いているものは、後ろ足を跳ね上げたりして、やんちゃ。

台所土間→玄関→三間続きのお座敷を拝見。台所の奥に白壁の蔵が見えたので、あれが御文庫!?と興奮したが、あとで聞いたら「台所蔵です」とのこと。表門正面の玄関には、目隠しのため、「立蔀(たてじとみ)」が据えられている。へえ~中国の伝統住宅でいう照壁みたいだ。※「立蔀」で画像検索すると、冷泉家住宅しか出てこないようだが、他にあるのだろうか?

いちばん格の高い「上の間」の座敷。部屋の中心に床の間がしつらえてあるのは、左右対称に客人が並んで、歌合せ等の行事に使用することを想定したから、という。なるほど。襖に無季の唐紙を使用しているのも、歌詠みの邪魔にならない配慮。庭には右近の梅(桜ではない)と左近の橘が植わっている。
最後に見せていただけるのが、御文庫(おぶんこ)。これぞ、天明の大火(1788)で冷泉家住宅が炎上したときも、累代のお宝を守った奇跡の土蔵である。火事になったときは、屋根は内部に叩き落として、上から土をかけてしまうらしい。だから『芸術新潮』11月号の山口晃さんの絵「御文庫は残った」で、屋根が残っているのは、ちょっと間違いである。奥は江戸期以降の文書類を収める御新文庫(おしんぶんこ)。

この御文庫、元和以来、ずっとこの地に建っているのだそうだ。東京都美術館で展示中の国宝・重文の典籍類も、普段はこの蔵で保管されている。何度か外壁の補修はしているが、空調設備は、いまも全く取り付けられていないとのこと。むかし、韓国の海印寺でも高麗大蔵経の版木を保存するのに、最新式の収蔵庫に移したらカビが発生してしまったので、もとの蔵に戻したという話を聞いたことがあるけど…。
↓小さな小さな通気口。

↓雨よけ?日よけ?

学生ガイドさんが分からないような、詳しいことをいろいろ教えてくれたのは、仮設の売店にいた女性の方(冷泉家の関係者の方でしょうか)。「東京の展覧会、見に行きました」とお話したら「どうでした? 本ばっかりだったでしょ」と、ちょっと心もとなげな表情をされた。「とっても良かったです。展示替えがあるので、また後期も行く予定です」と申し上げたら、大変喜ばれて「じゃあ、割引券が1枚あるから」と私に下さったのには恐縮してしまった。無駄にしないで、必ず使わせていただきます。
表門の四隅に乗る玄武。それぞれ表情が違う。塀の外側(正面は御所)を向いているものは端然と構えているが、内側を向いているものは、後ろ足を跳ね上げたりして、やんちゃ。

台所土間→玄関→三間続きのお座敷を拝見。台所の奥に白壁の蔵が見えたので、あれが御文庫!?と興奮したが、あとで聞いたら「台所蔵です」とのこと。表門正面の玄関には、目隠しのため、「立蔀(たてじとみ)」が据えられている。へえ~中国の伝統住宅でいう照壁みたいだ。※「立蔀」で画像検索すると、冷泉家住宅しか出てこないようだが、他にあるのだろうか?

いちばん格の高い「上の間」の座敷。部屋の中心に床の間がしつらえてあるのは、左右対称に客人が並んで、歌合せ等の行事に使用することを想定したから、という。なるほど。襖に無季の唐紙を使用しているのも、歌詠みの邪魔にならない配慮。庭には右近の梅(桜ではない)と左近の橘が植わっている。
最後に見せていただけるのが、御文庫(おぶんこ)。これぞ、天明の大火(1788)で冷泉家住宅が炎上したときも、累代のお宝を守った奇跡の土蔵である。火事になったときは、屋根は内部に叩き落として、上から土をかけてしまうらしい。だから『芸術新潮』11月号の山口晃さんの絵「御文庫は残った」で、屋根が残っているのは、ちょっと間違いである。奥は江戸期以降の文書類を収める御新文庫(おしんぶんこ)。

この御文庫、元和以来、ずっとこの地に建っているのだそうだ。東京都美術館で展示中の国宝・重文の典籍類も、普段はこの蔵で保管されている。何度か外壁の補修はしているが、空調設備は、いまも全く取り付けられていないとのこと。むかし、韓国の海印寺でも高麗大蔵経の版木を保存するのに、最新式の収蔵庫に移したらカビが発生してしまったので、もとの蔵に戻したという話を聞いたことがあるけど…。
↓小さな小さな通気口。

↓雨よけ?日よけ?

学生ガイドさんが分からないような、詳しいことをいろいろ教えてくれたのは、仮設の売店にいた女性の方(冷泉家の関係者の方でしょうか)。「東京の展覧会、見に行きました」とお話したら「どうでした? 本ばっかりだったでしょ」と、ちょっと心もとなげな表情をされた。「とっても良かったです。展示替えがあるので、また後期も行く予定です」と申し上げたら、大変喜ばれて「じゃあ、割引券が1枚あるから」と私に下さったのには恐縮してしまった。無駄にしないで、必ず使わせていただきます。