「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

グレン・グールドの恋人

2017年11月25日 | 音楽談義

週刊誌やテレビのワイドショーなどで、政治家や芸能人たちの不倫報道が後を絶たない。

「報道する側もされる側もたいへんそう、まあ、人生いろいろですからお好きにどうぞ~」だが、ことグレン・グールドの不倫となると話は穏やかではない。

先日の「日本経済新聞」(2017.11.19)の文化面に掲載されていた記事がこれ。



グールド(カナダ:1982年没)といえば周知のとおり泣く子も黙るほどの大ピアニストである。生涯独身を貫き50歳で早逝したが、今もってその演奏に賛辞が絶えることはない。

自分も大好きなピアニストなのでこれまでいろんな伝記や文献を読み漁ってきたが、「女性関係の記事」はこれが初めてだった。

あの禁欲的な演奏とも相俟って「グールドにまったく女っ気無し」と、信じ込んできたのでこの日経の記事を読んで「ヘェー、あのグールドがねえ」とまったく意外な感に襲われた。

グールドもやっぱり人の子だったんだねえ!(笑)

上記の記事が読めるといいのだが、文字が小さすぎてちょっと無理そうなので要約してみよう。

アメリカ在住の作曲家ルーカス・フォス夫妻は車のドライブ中にグールドのゴールドベルク変奏曲を聴いて衝撃を受ける。ルーカスの妻はコーネリア・フォスといって画家だった。

ルーカスは当時指揮者レナード・バーンスタインと並ぶほどのアメリカ音楽界のスター的存在だった。そのうち、グールドはルーカスと親しくなり、電話魔だったので頻繁にルーカスに電話をかけるようになった。

しかし、ルーカスは多忙だったので妻のコーネリアと話すことが多くなり、二人は急速に距離を縮め抜き差しならない関係になっていく。

そしてコーネリアはある日夫に別れを告げ、幼い子供二人を連れてグールドの住むトロントに向かった。しかし、この関係は5年で終わる。

その後グールドは「50歳で死ぬ」と、コーネリアに語っていたとおり、別離から10年後、脳卒中で急逝した。」

以上のとおりで、いわば音楽家と画家との恋愛というわけだが、「聴覚芸術」と「視覚芸術」との間でお互いに刺激しあい、畏敬の念が高じて恋愛感情にまで発展したことは想像に難くない。

両者の間でいったいどういう芸術論が戦わされたのか、まったく想像の域を出ないが、たとえば「音楽」につきものの音響と「絵画」につきものの色彩の共通点を「波長」という視点から探ってみよう。

音響の場合、低音域は波長(波の高点と低点との距離)が長く、一方、高音域は波長が短いのは周知のとおりだが、色彩だって「可視光線」のもとで波長の概念を当てはめてみると、長い順に<赤~オレンジ~緑~青~紫>の順番になる。ちなみに赤外線は波長が長すぎて、そして紫外線は波長が短すぎて目には見えない。

そういうわけで、「音響」を「色合い」で表現すれば低音域は赤色のイメージとなり、中音域は緑色、高音域は紫色のイメージとなる。

「低音域~赤色・オレンジ色~暖かい」 VS 「中高音域~青色や紫色~クール」という印象を受けるし、オーディオも低音域が豊かだと暖かい気分になり、高音域が優った音はクールな気分になるのもそれだ。中音域だと緑色に該当するので何となく安心感がある。

ただし、これはここだけの極めてユニークな「珍説」なのでけっして真に受けないように申し添えておこう~(笑)。

それはさておき、自分だって、もし大のモーツァルトファンの女性と知り合って話が弾んだとしたら、その女性の容姿がどうであれ恋愛に近い感情を持つ可能性だって十分ある。おそらく向こうは歯牙にもかけないだろうが(笑)。

グールドも彼女のおかげできっと演奏にインスピレーションが湧いたに違いない。

なお、この記事の作者は「松家 仁之」(まついえ まさし)さんという作家で「火山のふもとで」(読売文学賞)などの著作がある。したがって、信ぴょう性に足る記事だと思っても差支えないだろう。

大のグールド・ファンとして、どうしても記事の原文が読みたいという方はコピーして郵送して差し上げますから、ブログの自己紹介欄のメール宛ご一報ください。先着5名様に限り対応します。

 

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