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「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

たまには「べートーヴェン」もいい

2025年04月14日 | 音楽談義

ベート-ヴェンといえば20歳代の頃にそれはそれは熱心に聴いたものです。「第3番 英雄」「第九」「第6番 田園」「ヴァイオリン協奏曲」「ピアノソナタ32番」・・。

それが、いつしか縁遠くなってしまいました。やはり「モーツァルト」の影響が大きいですね。天真爛漫でいかにも作為の感じられない「曲風」に魅了されるうちに、ベートーヴェン独特の「押しつけがましさ」が段々鼻についてきて・・(笑)。

しかし、さすがはベートーヴェン、たまに聴くとやはり人間の魂の奥底を揺さぶって来るところがありますね。

それを感じさせる曲目といえば、まあ人それぞれなんでしょうが筆者の場合は「大公トリオ」ですね。



この曲はあの第7交響曲の少し前にあたる1811年に楽聖が敬愛する守護者ルドルフ大公に献呈した作品です。

作曲者本人にとっても大変な自信作だったようで初演では自らが演奏し(公開の場では最後となった)、ピアノ・トリオとしては限界を極めた作品として非常に満足していたせいか以後このジャンルの作曲は手がけていません。あのピアノ単独の表現の限界を極めたとされるピアノソナタ「32番Op111」と似たような立場の作品といってもいいでしょう。

有名な曲なのでそれこそいろんなグループが演奏を手がけていますが、筆者が一番好きなのはオイストラフ・トリオです。ずっと以前にレコード盤として愛聴していたのですがCDの時代となり24bitのリマスタリングとして新たに発売されたので早速購入しました。ずいぶん昔の話です。

ピアノ・トリオの場合どうしてもピアノの低音域レンジの広さや響きの豊かさが目立ち過ぎて他の二つの弦楽器を圧倒する傾向にありますが、この盤は音楽的な重心がヴァイオリンにあり、トリオの間に交わされる押したり引いたりする楽器同士の呼吸がピッタリ合っているところが気に入っています。もちろん個人的な感想ですよ。

ずっと昔、尊敬していたオーディオ評論家の瀬川冬樹氏(故人)が大公トリオを鑑賞中に感激のあまりウーンと頭を抱えて座りこまれたという記事を見た記憶がありますが、おそらく第3楽章(アンダンテ)のところではないでしょうか。

ベートーベンのアンダンテは定評がありますが、この第3楽章になると凄く内省的になって心が洗われる思いがします。ベートーベンの唱える「音楽は哲学よりもさらに高い啓示」を具現化している気がしますね。

ちなみに、ヴァイオリン演奏のオイストラフは「20世紀のバイオリン演奏史は究極のところオイストラフとハイフェッツによって代表される」(ヴァイオリニスト33:渡辺和彦著、河出書房新社)といわれるほどの名手です。

たしかにオイストラフに慣れ親しむと、もう他のヴァイオリニストでは満足出来なくなるケースが多々あり、その魅力についてはとても手短には語り尽くせません。

「オイストラフの演奏はどの演奏も破綻が無く確実に90点以上」(同書)といわれており、一時期夢中になっていろんな演奏を集めましたが、特にブルッフの「スコットランド幻想曲」モーツァルトの「ヴァイオリン協奏曲1番~5番」はお気に入りの愛聴盤となっています。

最後に、ネットから引用させてもらいましょう。

「この盤は、今回取り上げた中では「大公」という(偉そうな)タイトルに最もふさわしい演奏で、繰り返し聴いてしまいました。

レフ・オボーリンは1927年の第1回ショパン国際ピアノコンクール第1位という輝かしい経歴の持ち主ですが、一般にはオイストラフの伴奏者というイメージが強いかもしれません。この録音でもオボーリンのピアノは地味に聴こえますが、要所要所を引き締め、この演奏の成功に大きな役割を果たしています。

そう、オボ-リンのピアノが素晴らしい演奏なのです。また、クヌセヴィッキーのややくすんだ音色が豊麗なオイストラフのヴァイオリンに意外によく合って3者がうまく調和しており、大変聴き応えがある演奏だと思いました。今回最も感銘を受けた一枚です。録音年代は古いですが良い音質です。」



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