「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ談義~液晶テレビと真空管アンプ~

2012年01月06日 | オーディオ談義

今回は液晶テレビ(6年前に購入したシャープの「アクオス」45インチ)の近くに置いた真空管アンプがテレビ画面に帯磁した盛大な「静電気」の影響を受けて雑音を発生したという話。

       

現在、4台の真空管アンプ(いずれもパワーアンプ)を持っていて、いろいろ持ち味に応じて使い分けしている。出力管ごとに内訳を記しておくと、WE300B(モノ×2)、PX25(2台)、2A3、VV52Bといずれも三極管のシングル。

真空管は出力が小さいながらも中高域に繊細な表現力を持っているところが一番気に入っている。

したがって、第一、第二システムともに中高域用には必ず真空管アンプを使用しているが、このところずっと第二システムのタンノイ・ウェストミンスターの中高域用には「2A3」を使ってきたが、久しぶりに年も改まったことだし気分転換のために「VV52B」の真空管アンプを使うことにして接続してみた。

(この「気分転換のために」という理由にならない理由が実は大いに問題あり。これまでの経験で、結果的には気付かないうちに何らかの不満が隠されていることが多い!)

すると、いきなりスピーカーから”ジーッ”と嫌な雑音がするではないか。特に、左チャンネル側からの雑音が大きい。

「あれっ、おかしいなあ~、何故だろう?」。

この「VV52B」アンプは中型サイズだが、電源トランスや出力トランスが大きいため重量もかなりあって、置き場所に困り、オーディオラックの上に載せていたもので三極管のシングルにしては出力が20ワット近くあり、高域用のみならず低域用にも使えるので随分と重宝している。 

このアンプは購入してからすでに20年近く経過し、いたるところ接触不良を起こしていたので半年ほど前に奈良県のMさんに全面的に改修してもらったところ、見違えるほど音が良くなり大喜びしたものでそんなに急に悪くなるはずがないし、どうも不思議で仕方がない。

先ず疑ったのが真空管の故障。先ず初段管(テレフンケンのECC82)を左右入れ替えてみたがまったくノイズが変わらず。次に出力管を入れ替えても同じで変わらない。もしかしてケーブル自体の接触不良なのかと点検してみたがこれも不良個所が見当たらない。

とうとう原因が分からないまま、睡魔が襲ってきたので一眠りして、明くる日の早朝、目が覚めたとたんにふと液晶テレビの近くにアンプを置いているのが原因かもしれないとようやく気が付いた。液晶画面に近い方の左チャンネルから特に盛大なノイズがするのもこれで説明がつく。

すぐに、ガバッと跳ね起きて、オーディオルームに駆け込むなりアンプの初段管のECC82にシールドケースを被せて電源スイッチをオンにしたところ、雑音が激減したのでようやく原因が判明した。

今さらながら液晶テレビの画面(スイッチは待機状態)には盛大な静電気が滞留されていることを再確認したが、真空管の素子も単なるガラスケースに覆われているみたいなものなので外部からのノイズの侵略にはめっぽう弱いというのは今さらながらの新発見だった。

それも低域用に使っているときには何らノイズが発生していなかったので高周波ノイズとしての反応が顕著のようである。

とにかく場所を移動させて、2A3アンプを追い出してこのVV52Bアンプをラックの下段に納めて聴いてみたところノイズが皆無になったので先ずはひと安心。

          

それに音質の方も大違いで、「2A3シングル」に比べてスケール感が増大したのには驚いた。中高域用(1000ヘルツ~)のアンプを替えただけで、音楽全体がこんなにガラリと変わるのならもっと早い段階で試しておくべきだった。

やはりオーディオは理屈よりも実験で、やってみなければ分からないところが多々あるが、まあこれまでの経験もあるし2週間ほど聴いてみて慎重に最終結論を出すべきだろう。

ところで、写真をご覧になって目ざとい方は出力管の「VV52B」に何やら黄色い針金が巻きつけてあるのを気が付かれたと思うが、これはこのアンプを低域用として使っていた時に「マイクロフォニック・ノイズ」が盛大に発生していたのでそれを止めるためにガラス管の振動防止用として巻きつけたものである。

「マイクロフォニック・ノイズ」とは音が鳴りやんでも真空管のガラス管が共振して”こだま”のように音が反響してしまい聴きづらくて非常に始末に困る現象。

きちんとしたノイズ防止用としてガラス管に巻きつける防震ゴムが販売されているがVV52Bは大型真空管のため購入するととても高価なので自分なりに工夫して針金で締め付けたものだがこれで8割程度は明らかに防止できたが、今回は高域用として使うためノイズが皆無なのも大いに助かる。

それにしても今回は改めて中高域用のアンプの重要性に気付かされたが、第一システムの「Axiom80」専用に使っているWE300BやPX25アンプを持ってきたら果たしてどういう音がするのだろうかと試してみたくなる。

 

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