久しぶりに南スコットランド在住の「ウマさん」から長文のお便りが届きましたのでご紹介させていただこう。
昨夜、Spotifyで、久しぶりにシドニー・べシェのクラリネットを聴いた。便利な時代になったもんです。様々なミュージックをネットで聴けるなんて、実に有難い事だよね。1920年代から活躍した黒人ジャズ・クラリネット奏者シドニー・べシェは、トランペット」奏者の「サッチモ」ことルイ・アームストロング同様、かなりの人気ミュージシャンだった。
ヨーロッパにも呼ばれ、彼の地でも人気奏者となり、何度もヨーロッパで演奏機会を持つようになる。そして、1949年、とうとうお気に入りのパリに移住することを決意した。51歳だった。ヨーロッパでは、ジャズ・ミュージシャンは芸術家として尊敬される風土があり、アメリカのように酷い人種差別もなかったので、多くの黒人ミュージシャンがヨーロッパに移住し活動の場とした。シドニー・べシェもそんなミュージシャンの一人だった。
彼が吹くクラリネットの、細かく震える独特のビブラートを、パリの知的マジョリティーが愛したんやね。そして、シドニー・べシェの人生で最大の出来事が起こった…52歳になったべシェ、なんと、17歳のパリジェンヌに恋をしてしまったのでござるよ。愛があれば年の差なんて…、ええ歳こいて…なんて言ってるばやいとちゃいまんねん。えらいこっちゃ!でっせ。彼は、親子ほど年齢差のある彼女に対するその想いを、如何に伝えたのか?そう、べシェは、その溢れんばかりの恋心を、クラリネットに託して表現したのでござるよ。で、誕生した曲が「Petite Fleur」プチ・フルール…小さな花…
愛する17歳の娘を「小さな花」に例えたんやね。べシェが心を込めて作曲したこの「小さな花」は、後年、日本でも鈴木章治や北村英治など、クラリネット奏者が好んで演奏することとなる。
そして「可愛い花」の題で、あの「ザ・ピーナッツ」のデヴュー曲ともなったので、皆さん、聞いたことあるんじゃないかな?おのおの方も、べシェの「小さな花」を聴くと「ええ歳こいて…」なんて言えなくなると思うよ。素晴らしい曲です。あとで、べシェ自身の演奏による「小さな花」と、僕のお気に入りのフランス娘ララ・ルイーズが唄う「小さな花」のYouTubeを、おのおの方に送るんで聴いてみてね。
YouTubeのララの写真を見てると、べシェが愛した若きパリジェンヌって、こんな娘じゃなかったやろか?との思いがする。ザ・ピーナッツ「可愛い花」も懐かしいね。これもYouTubeでご覧ください。
僕はパソコン操作に疎く、この三つのYouTubeを全部一緒に送る技術を今のところ持ってないので、一つ一つ別々に送ります。送った順番に見てくださいね。PS: 実はね、ここだけの話なんやけどさ、僕も、ええ歳こいて、今、可愛い小娘に恋してまんねん。女房も公認で、一緒に暮らしてるんやけど、もう、彼女なしの生活なんて考えられないのよ。めちゃシアワセ…ウフッ…
ところがや…
この娘な、午前9時から午後5時までの門限は守らんし夜遊びが過ぎる。ほんで、時々、ちっちゃなモグラの赤ちゃんをくわえて家に帰ってきよるのよ。ほんでな、モグラの赤ちゃんを僕の前に置いて「ウマ!これでイッパイやってね!」だと! 困ったもんや、いやはや。
私も猫が好きです。ずいぶん栄養状態が良さそうですね(笑)。小窓の上の「9~5!」(9時から5時)に思わずアハハ・・。
で、肝心の「シドニー・ベシェ」のクラリネットです。さっそく「You Tube」で聴いてみましたけど、独特のビブラートに痺れ上がりました。
ずっと昔、こんな素敵なクラリネット奏者がいたなんて・・。
最高で~す!