これまで何回も書いてきたので「またか!」と言われそうだが「魚釣りはフナ釣りに始まってフナ釣りに終わる」という言葉がある。
幼い時に近くの川で興じた魚釣り・・、仕掛けをはじめ何から何までシンプルの一言に尽きるが、壮年になると凝った仕掛けになりクルマを使っての遠出、大きな獲物と、何もかもが大掛かりになり、そして老境に差し掛かると、本質への理解が深まるとともに無駄の排除へと繋がり、それに体力的な問題も手伝って、再びシンプルな釣りに還っていく・・。
オーディオも似たようなものではなかろうか。
けっして上から目線で物申すつもりはないが、50年以上オーディオ遍歴を続けて、酸いも甘いも嚙分けてきたつもりだが、このところ「オークション」で小口径のユニットに目が向いて仕方がない。
スケール感豊かな音もいいが、音声信号に対する反応が早くてシャープな音像にも心惹かれるのだ。
「二兎を追う者、二兎を得る」というわけだが(笑)、その対象は「口径20cm」クラス・・、そして見事に発見。
国産の東芝製で「ウーファー専用」、しかもお値段が安い!(笑)。
落札価格が何と「千円単位」ですよ~。もちろん「アルニコ・マグネット」付き。
そして、無事落札し、北海道からほどなく到着。
あれ~っ、半田の痕が無いので新品だっ!
ウーファー専用なのでハイカットはせいぜい2000ヘルツ前後だろうか。もちろん必要悪の「コイルが不要」というのがうれしい。
ただし、ユニットの二つの端子に「+」の表示がない・・、やれやれ手間なんだよねと乾電池を持ち出して試してみる。プラス同士が合っていれば「正相」でユニットのコーン紙がすっと前に出てくるのでわかる。
さあ、これにどういう「ツィーター」を噛ませようか・・。
3000ヘルツあたりから使えるツィーターとなるとワーフェデールの「スーパー3」(口径10cm)かなあ。ごらんの通り赤帯マグネット付き。
瞬く間にセッティングが完了した。
そして、想像以上の音質に驚いた!
また、「いつもの自画自賛か!」と呆れられそうだが、いやホントなんだってば~(笑)。
まず、小気味よく反応してくる低音に惚れ惚れするし、量感も想像以上に豊かで素晴らしい。
そして、ツィーターの「スーパー3」がこれまたGOODで、プリアンプにマイカ・コンデンサーを組み込んでから初めて鳴らしたが、叩く音はさすがにJBLに一歩譲るが、擦る音は抜群で何倍も良い。
というわけで、資質は十分に確認したのであとは相性のいいベストのアンプを組み合わせてやりたくなる・・、それほどの魅力を放っている。
何と2日がかりで「ああでもない、こうでもない」と、アンプの上げ下ろしで腰が痛くなるほどだったが、ようやく決定したのがこのコンビ。
「ウーファー」には久しぶりに「PX25シングル」を、そして「スーパー3」には「6AR6シングル」(三極管接続)で決定。
目を瞑って聴くと、こんな小ぶりのシステムからとは信じられないくらいの豊かな音が出ますよ~。
しかも音像がシャープで躍動感もある。
さっそく仲間に聴いてもらうとしよう。
「オーディオ仲間を泣かすのに刃物は要らぬ、小口径ユニットで十分」と思うんだけどなあ~(笑)。