「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

「超高周波音」が音の印象を変える~中編~

2022年03月10日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

人間の耳には聞こえないとされている「超高周波音」を付加することによってサウンド全体の印象が変わるなんて、オーディオ愛好家にはよだれが出そうな話なので(笑)、勇躍実験の運びとなった。

レコードと違ってデジタルサウンドの場合、どうしても繊細な高音域に不満が残るのだがその解決策となってくれるとありがたい。

で、スーパーツィーターには「075」(JBL)を使うことにしたが、クロスオーバーの設定をどのくらいにするか、なにしろ実験なので手持ちの「マイカ・コンデンサー」次第となる。



画像左側の「0.039μF(マイクロファラッド)」と「0.075μF」の2種類があったので、とりあえず前者を使ってみることにした。

「クロスオーバー・ネットワーク・早見表」によると、SPユニットのインピーダンスが8Ωの場合、1万ヘルツ(-6db/oct)の時に2μFだから10万ヘルツの時には0.2μFとなるので、0.039μFだと理論上は50万ヘルツぐらいかな。

50万ヘルツなんて人間の耳には聞こえっこないはずだが、それでも実際に鳴らしてみた。

ややこしい話は抜きにして現象面だけで勝負することにしよう、これまでどおりに(笑)。

プリアンプの2系統出力のうちの1系統を使い、075専用のアンプには「171シングル」を持ってきて接続。

で、実際に音出しし、075にしっかり耳をくっつけると微かに音が聞こえてくる程度。171アンプのボリュームは半分程度上げれば済みそうだ。

肝心のフルレンジ「スーパー10」(口径25cm)には「WE300Bシングル」を充てがって鳴らしてみた。

どのくらい音の印象が変わるか、まさにハラハラドキドキだったが、これは・・と思わず絶句した。

音の鮮度が抜群で爽やかな一陣の風が吹き抜けていくようなサウンドである。録音現場の空気感みたいなものが醸成されている。

ただしアンプのボリュームを上げ過ぎると「サシスセソ」がきつくなる感じなので微妙な調整が必要だ。

いずれにしろ、聞こえるはずのない超高周波がサウンドに大きく貢献するなんてまるで「目からうろこ」。

たとえて言えば、フルレンジの高音域が毛細管現象によって超高周波に引き寄せられていくような感じといえばいいのだろうか。

しばらく聴いていくうちに「075」でうまくいったので、デッカの「リボンツィーター」ならどうなんだろうと欲が出てきた。



これは075に比べてメチャ能率が低いのでアンプ側にもパワーが要求されるので「2A3シングル」(出力管:フランスVISSEAUX刻印)の出番である。

さらにクロスオーバーは片チャンネル2個の「0.075μF」をパラって「0.15μF」とした。計算上ではクロスオーバーは10万ヘルツを軽くオーバーする。

で、これまたハラハラドキドキしながら、2A3アンプのボリュームを全開にして音出ししてみるとこれがまた実に素晴らしいサウンドに(笑)。

075に比べると、いかにもイギリスのゼントルマン風の趣で「品」が良くてヴァイオリンとボーカルは最高の佇まいとなった。

これまで「リボンツィーター」の使い方には散々悩んできたが、こういう使い方をすればいいんだと心から納得。オークションに出さなくてよかった!(笑)

というわけで、これから我が家の7系統のシステムはすべて「超高周波対策」として「スーパーツィーター」を使うことに決定。

もちろん「AXIOM80」においても例外は許されない(笑)。

以下、続く。


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