先日の2泊3日(2月28日~)の病院行き(検査入院)に続いて、3週間後の今回は3泊4日(3月21日~)の治療入院となった。
心臓血管(冠動脈)が動脈硬化により狭くなっているので手首の動脈からカテーテルを差し込んで全体的に血管を風船で膨らませて広げ極端に狭くなったところは「ステント」(網目状の金属)を入れて補強するという手術。
ご想像どおり、あまり気持ちのいいものではないですよね(笑)。
手術は2時間くらいだったが、手術台の上でじっと身動きもせず「まな板の上の鯉」の心境だった。事故率は0.4%くらいだからこの技術は確立されているともいえる。
予定どおり無事終了して残りはあと1本の冠動脈の治療となって、2週間後となった。
まとめて治療をやってくれればいいのにと思ったがいろいろ病院側の事情もあるようでして・・。
というのも、とある病院関係者から「ここだけの話ですよ」と、伺ったことがある。
「ステント設置は結構な高度医療(100万円以上)なので、医療機関(総合病院)の経営を考えると心臓外科手術に並ぶ収入源です。
毎月「診療科長会議」があり、各科の収益の多寡を示します。黒字は心臓血管外科(これで病院が持っている)と循環器内科(黒字額はわずか)だけですよ。外科がトントンといったところです。黒字部門の部長・科長は胸を張り、他(赤字)は伏し目がちとなります」
ごく最近のことだが、懇意にさせてもらっている真空管アンプビルダーさんが、このほど大がかりな心臓外科手術(バイパス)をされたが、その治療費は400万円以上だったとのこと。もちろん保険が利くので自己負担は軽くて済む。
まあ、そういうわけだが、自分のケースでは冠動脈2本を続けて治療すると4時間ほどの作業となり、そうなると体力がもたないので後日の手術でも納得~。
で、手術後は経過観察ということで点滴を受けながら病室でじっとしていなければならない。
前回の検査入院の時に病室に「ブルーレイレコーダー」が設置されていたのを確認していたので、今回の入院にあたっては録りためていた2枚の「ブルーレイ」を持って行った。
2020年の後半に放映されていた「半沢直樹」シリ~ズ(全10篇)と洋画の「ラ・ラ・ランド」。
日頃「音楽&オーディオ」で忙しいので、こういう時じゃないとなかなか観る機会がない(笑)。
「半沢・・」はやはり面白かった。時代劇でいえば「勧善懲悪」というわけだが劇中で主人公が吐いた「感謝と恩返しの気持ちで働いているんだ!」という言葉にオッと胸を打たれた。
「感謝と恩返し」は、このところついぞ忘れていた言葉で「今のオーディオがあるのもいろんな人のおかげなんですよねえ!」(笑)。
この一連のドラマを見終わると次は「ラ・ラ・ランド」(アメリカ)。
ミュージカル映画で2016年のアカデミー賞6部門受賞という栄えある作品。
何もアカデミー賞を捕ったからといって好みの映画とは限らないが、少なくとも駄作ではないというお墨付きはある。
で、観終わった後の感想だがやや退屈なところもあったがラストが印象的だった。ハッピーエンドよりもこういう終わり方の方が後に尾を引いてずっと記憶に残りますね。
で、これを見終わった後でもさらに時間が残ったので図書館から借りていた「宮部みゆき」さんのミステリー「誰か」(2003年)を(病室で)読みふけった。
宮部さんの作品はストーリーの展開に妙味があっていつも感心する。
本書の裏表紙に次のような解説があった。
「今多コンチェルン広報室の杉村三郎は事故死した同社の運転手・梶田信夫の娘たちの相談を受ける。亡き父について本を書きたいという彼女らの思いにほだされ、一見普通な梶田の人生をたどり始めた三郎の前に、意外な情景が広がり始める。稀代のストーリーテラーが丁寧に紡ぎだした心揺るがすミステリー」
たしかに、息もつがせぬ面白さといってもいいくらいの展開にやっぱり「宮部さん」はうまいと感心するばかりだったが肝心のラストでがっかりした。
惜しいことに宮部さんの作品はどれもこれもラストがどうもしっくりこないのは自分だけかなあ・・。
「ラ・ラ・ランド」のラストとは好対照で、つい「終わり良ければすべて良し」という言葉を思い出した。
「人生」だってそうかもしれないですね(笑)。