前々回の「波乱万丈の展開」からの続きです。
何度も書くようで「くどい!」ようだが「スーパーツィーター」の出現によって我が家のオーディオは根底から揺さぶられている。
いや、けっして大げさではなく~(笑)。
ツィーターにピッタリ耳をくっつけて、ようやく微かに聞こえるような超高周波音がフルレンジの高音域と微妙に繋がって全体のサウンドを生き生きさせるなんて考えてもみなかった。
それにしても、これまでどうせ耳には聞こえないんだからと「超高周波音」をないがしろにしてきたのは迂闊だった。
人間の可聴周波数帯域が「20~2万ヘルツ」とされているのは間違いですね。
また、スーパーツィーターといっても普通のツィーターにマイカコンデンサーを使ってクロスオーバーを10万ヘルツ以上にとって鳴らしているだけなのに十分用を足すとはうれしい誤算。
で、近隣のオーディオ仲間とともに試聴会を開催してシステムの精度向上に挑戦してみたところ途中経過として記載していたのは、
1 AXIOM80を駆動するアンプ「PP5/400」の登板
2 スーパーツィーターを駆動するアンプに「6AR6」(三極管接続)の起用
以上が前々回までの内容だった。
そして「第3の波乱」は肝心の「スーパー・ツィーター」の交換となった。
当初に聴いていたのはワーフェデール製の強力なマグネット付きの「コーン型」ツィーターで、これで十分だと思っていたのだが仲間から次のような発言があった。
「これまで聴かせていただいたツィーターの中ではデッカのリボン・ツィーターが一番印象に残っています。2万ヘルツ以上の雰囲気感を出すとなるとリボン型が最適じゃないかと思うんですが・・」
そうですか・・。さっそく交換してみましょう。
リボン型ツィーターの難点は能率が低いことだが、「6AR6」のボリュームをフルにし、さらにマイカコンデンサー「0.075μF」を2個パラって「0.15μF」にして聴いてみた。
すると、サルバトーレ・アッカルド愛用の「ストラディヴァリ」が見事に響きわたった。
「これは素晴らしい、これこそストラディヴァリの音だと思わせる説得力があります。明らかにデッカが利いてますね。真空管アンプの倍音成分の表現力は凄いです。我が家のTRアンプではとてもこういう音は出せません。」と、Yさん。
「マイカ・コンデンサーを追加してデッカのクロスオーバーをもっと下げてもいいですけどね」
「いや、このままで十分でしょう。これ以上下げるとAXIOM80の高音域と喧嘩になりますよ」と、Yさん。
辞去された後で、クラシックからジャズ、ポピュラー、歌謡曲までいろんな曲目に耳を傾けたがすべて満点を上げてもいいほどの鳴りっぷり。
これまで50年以上オーディオをやってきたが、これがベストの音だと断言していい気がしてきた。
オーディオは終着駅のない世界だとずっと思ってきたけど、どうやら辿り着けたかなあ・・。まあ、瞬間風速にならなきゃいいけどね(笑)。
いずれにしても、好きだからこそ飽きもせずにコツコツツと続けてこられた「50年の歩み」だったが長いようで短かったなあ・・。
後は、「PP5/400」アンプの前段管の微調整と、今度はオリジナルの「AXIOM80」の方にデッカを載せて試してみよう。