「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

波乱万丈の展開

2022年03月15日 | オーディオ談義

「我が家の音がずいぶん変わりましたよ、久しぶりにいかがですか?」

クルマでほんの10分ほどのところにお住いのオーディオ仲間「Y」さんに電話したのはようやく春めいてきた12日(土)の午後のことだった。

「ハイ、わかりました。今からお伺いしましょう」

Yさんは我が家のシステムに対して歯に衣を着せず率直に思ったままを発言されるので「ご意見番」として非常にありがたい存在である。

どんなに厳しいことを言われても不思議と不快にならないのはひたすら純粋に「音」を追及されているせいだろう。

さらに、実際にフルートを演奏され「生の音」にしょっちゅう触れられているので「鮮度」にはひときわ敏感のため繊細さが売りの「AXIOM80」にはぞっこんのファンでもある。

で、お互いの感性の一騎打ちになる試聴会はいつも「丁々発止」の感があってワクワクするが、今回はいつもより激しい波乱万丈の展開となった。

まず、試聴したシステムはこれ。



「AXIOM80」をフルレンジで鳴らし、サブウーファーは「ウェストミンスター」(赤帯マグネット付きの「スーパー12」を内蔵)、スーパーツィーターは強力なマグネット付きの「ワーフェデール」というメンバー。クロスオーバーは軽く10万ヘルツ以上。

まず順を追って述べていこう。

第一の波乱 

このところ、「スーパーツィーター」の登場によって高音域の不満が一挙に解決したので「AXIOM80」を駆動するアンプは「WE300B」シングルから「PX25」シングルに代えたのだが、じっと耳を傾けられていたYさんから「WE300Bと比べて何だかおとなしすぎるように思いますけど・・」。

「そうですか・・・、出力管を「PX25」から親分筋にあたる「PP5/400」(英国マツダ:初期版)に代えてみましょうか。」



所詮、真空管は消耗品なので満足のいくSPが登場するまではと、これまで大切に保管してきた「PP5/400」だが、この段階に至りようやく満を持しての登場である。

とはいえ、鳴らすのは3年ぶりぐらいなので、整流管を抜いて20分間ほどエージング。その間、Yさんには四方山話をしながら我慢してもらった。

この球にもピンからキリまであって、他の古典管と同様に押しなべて初期版が一番音がいいとされている。



これは「PP5/400」を真上から撮った画像だが、トップのマイカの部分がご覧のとおり「細身の長方形」になっているのが初期版の特徴である。

で、一聴されるなり「これは素晴らしい!情報量がPX25よりも上ですね。AXIOM80との相性からするとWE300Bよりもいんじゃないですか。澄み切った透明感といい、ヴァイオリン独特の濡れたような感じといいこの球の独壇場ですね」。

「そうですか、アンプもスピーカーも同じお国柄(英国)ですからね~」

これで、「AXIOM80」用のパワーアンプについては一件落着。これから「PP5/400」を常時使うことにしよう。

次に、

第二の波乱

「スーパーツィーターの威力は十分承知してます。我が家でもクロスオーバーを5万ヘルツにして使っています。問題は駆動するアンプの特性が対応できるかどうかだと思います。真空管アンプの場合、トランス類が邪魔して高音域がカットされているケースも多い気がします。」と、Yさん。

「なるほど、出力トランスは仕方がないとしてもせめてインターステージトランスを使ってないアンプの方がいいかもしれませんね。」

で、「6AR6」(3極管結合)シングルの登場となった。



我が家の中でこのアンプが高音域方向へのレンジが一番伸びているものの、「超高音域」だけ担当させるなんてもったいない限りだが、ベストサウンドを求めるとなるとやむを得ない。

前段管はもともと「6SL7」だったが、繊細さに不満があったので変換用ソケットを使って「ECC83」(テレフンケン)を使っている。

そして、ステージはいよいよ「第3の波乱」へと突入していく。

以下、続く。


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