「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

「超高周波音」が音の印象を変える~前篇~

2022年03月09日 | オーディオ談義

図書館で「音」と名がつく本を見かけたら、とりあえず借りてきて一通り目を通すことにしている。

で、先日「新刊コーナー」で目に触れたのがこの本。



さして期待もせずにペラペラと頁をめくっていたら、150頁に「超高周波音が音楽の印象を変える」との項目立てがあった。

オッ、これは面白そう!

大要次のとおり。

先に、唐揚げが食べ頃になると(油がはじける音に)超高周波音が含まれると述べた。超高周波音それ自体は通常聴くことができない「非可聴音」である。

このような空気振動は人の聴こえに本当に影響するのだろうか。

このことを確かめるために、楽曲音に超高周波音を付加するとその印象がどのように変化するのかを調べてみた。

つまり、同じ楽曲に「22~60KHz」を付加して聴取してみたところ、8名の印象評価の集計は次のとおり。



ご覧のとおり、1項目を除いてすべてプラス評価となった。

これらの結果が示唆するのは本来感じることができない超高周波空気振動が付加されるとその影響を受けて可聴音の空気振動の近くが変化するということである。

つまり、人は非可聴音を含めて音源の空気振動を知覚しているという可能性が考えられる。

考えてみると、可聴音は周囲に存在するごく一部の周囲の空気振動に過ぎない。自然界には人には音として聞こえない超高周波空気振動も多く存在している。

木々の葉のこすれる音、虫や鳥の鳴き声、潮騒や川のせせらぎなどの自然環境音には超高周波音が豊かに含まれている。これらの音源から可聴音を感じるときに同時に超高周波音も身体に受けていると考えることはごく自然であろう。


とまあ、以上のとおりだが、周知のとおり人間の可聴帯域は「20~2万ヘルツ」とされており、CDでは上限が2万ヘルツと頭打ちに
なっている。

しかるに人間には聞こえないはずの2万ヘルツ以上の帯域を追加することによって「可聴音の上限近くの空気振動が変化」し、音の印象が変化するというのだからこれは聞き捨てならない(笑)。

オーディオは理屈だけでは説明できないことに遭遇することが多いのだがこれは最たるものだろう。

むらむらとオーディオ魂が沸き起こってきて、さっそく実験してみたくなった。

「スーパー・ツィーター」っていったいいくらぐらいするんだろう。オークション・サイトを覗いてみると有名な「ムラタ」製があった。



お値段は7万円・・。実験するにはちょっと高いなあ(笑)。それに肝心の能率が「88db」と低くて真空管アンプ向きではない。

そこで窮余の一策として我が家の「075ツィーター」(JBL)をスーパー・ツィーターとして活用してみることにした。

なにしろ能率が「110db」とメチャ高いので小出力の真空管アンプで対応できるので助かる。

さて、どういうシステム構成にしようかとなると「フルレンジ」と組みわせるのが簡単そうだ。

つまり「フルレンジ + スーパー・ツィーター」

そこで、フルレンジはワーフェデールの「スーパー10」(口径25㎝)を活用することにした。

電光石火の思い切りで(笑)、これまで容れていた木製の植木鉢から外してグッドマン用のしっかりした板厚の箱に入れ、その上に「075」を載せることにした。



ポイントは「075」のクロス・オーバーをどのあたりで設定するか・・。極小値のマイカ・コンデンサーの出番となる。

以下、続く。


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