古今東西の数あるオーディオ機器のうちでデザインと性能がマッチした逸品となると極めて絞られてくるが、その中でも屈指とされているのが「マランツ7」である。
もしその存在を知らない方がいるとすれば、その方は(オーディオ界では)もぐりといっていいでしょう(笑)。
「ソウル・B・マランツ」氏(アメリカ)が個人用として使っていたプリアンプを製品化したのが「マランツ7」。
ご本人は兼デザイナーだったとかで、その機器の佇まいは今でもいっさい古びておらず「美の極致」といってもいいくらいだし、無論、音の方も外見に負けず劣らずとの評。自分はまだオリジナルの音を聴いたことがない。
日本のオーディオメーカーにも多大の影響を与えており、物まねしたブランドを上げるときりがないほどだ(笑)。
我が家でもたしか15年ほど前だったかせめて「復刻版」でもと、購入してみたもののとうとう使いこなせないまま友人に譲った記憶がある。
今でも愛用されている方が多くて、東京にはオリジナル部品に拘った専門店があると聞いている。お値段もそれ相応に高根の花だ。
ただし、何しろ70年ほど前の古い製品なのでコンデンサー類の経年劣化が一番の心配点。
その点、オーディオ仲間のNさん(大分市)はうまく切り抜けられているご様子なので紹介させていただこう。
つい先日のこと、不要になった「オーディオ機器」をまとめて「オークションに出品お願いします」と、訪れたところ見慣れないプリアンプを使われている。
「あれっ、このプリアンプどうしたんですか?」
「いやあ、外側のケースはラックスなんだけど中身はそっくり入れ替えてマランツ7を忠実に再現しています。」
え~っ「そんな器用なことが出来るんですか」と、心の底から驚いた。Nさんの愛用されているプリアンプは別にあるので、試作機なのだろう。
Nさんの凄腕は今に始まったことではないが改めて感心した。
追い打ちをかけるように「古いコンデンサー類は一新してます。マランツ7の社員だったホブランド氏が立ち上げた高級ブランド”ホブランド”が開発したコンデンサーを使ってます。」
パソコン画面を撮ったものだが、黄色い部品が該当のホブランド製だ。
このホブランド製のコンデンサーを使った「マランツ7」がオークションに出品されているが、スタート価格は「140万円」なり!
ことオーディオに関しては、どんな美辞麗句に修飾されていようと、そしてどんな部品を使われていようと実際に音を聴いてみないと信用しないことにしているが、このサウンドばかりはウソ偽りなく素晴らしかった!
非の打ち所がないプリアンプとはこういうアンプを指すのだろう。
それに、将来はマランツ7のジャンク品を手にいれてケースだけ入れ替える手もある。
もっと若かったら、そして3台のプリアンプが無かったら絶対に購入するんだけどなあ。
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