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「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

光り輝くような「シンバルの響き」を求めて

2021年01月28日 | オーディオ談義

徒に馬齢を重ねるばかりの、およそ50年近くになるオーディオ人生だが「オーディオの楽しさっていったい何だろう」と思うことがときどきある。

もちろん「自分の好きなサウンドを求めてそのアプローチと結果を楽しむことに尽きる」とは思うが、その肝心の「自分の好きなサウンド」というのがどうも判然としないのである(笑)。

たとえば、雄大で深々とした低音、楽器本来の音色と相互の位置関係がはっきり分かるような明瞭で繊細な響き、すっきりと伸びきった高音域と透明感、そしていかにも臨場感を醸し出すステージの存在感などいずれも欠かせない要素だし、これらが微妙に絡み合って好きなサウンドに仕立て上げるわけだが、現実的には「これこそ望んでいたサウンドだ!」と、たった一つに絞るのは無理のような気がしている。

つまり、「これもいいけど、あれもいいなあ」と果つることなく目移り(耳移り?)していくのは自分だけだろうか(笑)。

と、弁解じみた前置きはこのくらいにしてこのところ「低音病」ともいうべき状態だったので、久しぶりに鬱陶しい冬の天気を吹き飛ばすかのように「高音病」に罹ってみることにした。

新型コロナに罹るよりはマシだと思うよ(笑)。

ちなみに、あれほど内外の観光客が押し寄せる日本一の温泉都市「別府(人口約12万人)」だが、これまで大規模なクラスターが発生していないし、患者数も少なく多いときでも1日当たり10人を上回ることがないのが不思議。

もしかして、大気中に広範に漂う温泉の湯気成分が効果があるのではないかという説が地元の一部にはある。ほかの熱海などをはじめとする温泉地はどうなんだろう。

それはさておきオーディオの話に戻って玄関前に勢揃いさせた我が家の「ツィーター」(高音専用のユニット)群をご覧いただこう。



現在、ウェストミンスター(改)で活躍中のJBL「075」は除いている。

順次紹介すると、右側上からJBL「175ドライバー」、次が「JESEN」のホーン・ツィーター、デッカのリボン・ツィーター、そして左側上からワーフェデールの「スーパー3」(赤帯マグネット&大型マグネット)。

さっそくこれらの試聴実験に取り掛かったがその前にシステムの概要を述べておくと、

低中音域は「AXIOM150マークⅡ」(以下「マークⅡ」)を、いっさいコイルとかコンデンサーを使わずフルレンジで鳴らす。駆動するアンプは「WE300Bシングル」。

この「マークⅡ」の公称の周波数帯域は「30~15000ヘルツ」と、フルレンジでも十分なのだが、周波数特性を見ると5000ヘルツあたりから急激にガクンと下がっている。

したがって、ツィーターの方も5000ヘルツ以上からの帯域で鳴らしてみることにした。

ローカット用の道具はウェスタン製のオイル・コンデンサー「ブラック型2.5μF+1.0μF=3.5μF」となる。

我が家のモットーである「200ヘルツ~4000ヘルツまでの間にマグネットの違うSPユニットを混ぜ合わせない」を遵守していることになるのでまずはひと安心(笑)。

はじめにデッカから実験。

ウ~ン、素性がいいので悪くは無いんだけど・・。マークⅡとのハモリ具合がイマイチで、そもそもリボン型ツィーターを5000ヘルツから受け持たせるのはちょっと無理みたい。せいぜい7000ヘルツ以上がいい感じかな、というわけで再びお蔵入り。

次に「JENSEN」の登場。3年ほど前に「北国の真空管博士」から次のようなコメント付きで譲ってもらったものだ。


「Jensenの小型ホーンツイーター入手しました。Jensen得意のフォノリック・ダイヤフラムです。

金属ダイヤフラムのツイーターよりもペーパーコーンスピーカーとの音の繋がりは良いかもしれません。インピーダンスが8Ωなので使いやすいと思います。


帯域は2Khz-18Khz程度と思うのですが詳しいデータが無いので使ってみないと何とも言えません。2ウェイ方式の高音域用に使われていたものです。アルニコマグネットでホーンはアルミダイキャストのようです。興味があればお送りします。」

試聴結果だが、さすがに「フォノリック・ダイヤフラム」を使っているだけあって、マークⅡとの繋がりが違和感なくとても良かった。

もうこれで決まりだと、半ば思いながら次の登場はJBL「175」だ。我が家では半年おきくらい、もう忘れたころに登場してくる代物である(笑)。

この「175」は1000ヘルツあたりから対応できるのでこれまでずっとその辺りの周波数から使用してきたが、今回は5000ヘルツ(-6db/oct)からなのでどのように変化するか見ものではある。



さしたる期待もしていなかったのだが、実際に鳴らしてみると光り輝くような「シンバルの響き」に思わず陶然となってしまった。

シンバルがうまく鳴ったときの爽快感は筆舌に尽くしがたいものがありますなあ。

これこそ自分が追い求めてきた「シンバル」の響きかもしれない!

「175」をクロス1000ヘルツで使っているときはアンプのボリュームを上げると喧しくなるので控えていたのだが、5000ヘルツ以上となるとボリュームをぐんと上げてもうるさくないしシンバルの低い方の響きから高い方まで過不足なく出してくれる印象だ。

ちょっと形容が難しいが、あの「075」がチャリ~ンと軽快に鳴るとすれば、この「175」は「ガシ~ン」と重厚な響きを伴って鳴ってくれる感じで、好き好きだがどちらかといえば自分は後者の方が好き。

よしっ、今回の実験は175で決まりだね!

というわけで以後のワーフェデールのツィーターは実験中止に追い込まれた(笑)。

コーン型ツィーターではどうしても「光り輝くようなシンバル」の響きは無理だろう・・・。ただし弦楽器との繋がりは175より上とは思うが。

なお、「110db」近くもある高能率の「175」を駆動するアンプは「71Aシングル」アンプに限るようだ。



前段管は「A411」(ヴァルボ:バリウム昇華型フィラメント)、出力管は「71A」(レイセオン)、整流管は「OK-X213」(メッシュプレート)という組み合わせ。

出力はせいぜい1ワットくらいだが、高能率のJBLツィーターを鳴らすにはもってこいで、高音域の清澄感ともなると雲一つない澄み切った青空を連想させるほどだ。71系のアンプはもう1台あって、どちらを使ってもOK。

今回の実験の感想だが、クロス5000ヘルツで「グッドマン+JBL」という「クラシック向き」と「ジャズ向き」が混然一体となった異色の組み合わせは弦楽器もジャズもボーカルもジャンルを問わず何でもこなせそうなので当分の間、このスタイルで行くとしよう。

まあ、人智を越えて神頼みの部分もあるのですがね(笑)。



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