「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

新春早々の真空管アンプの対決

2020年01月10日 | オーディオ談義

前々回からの続きです。

新春早々の試聴会(4日)のテーマは画像左側の「2A3」アンプと「6098」アンプの聴き比べだった。オーディオには一定の「ものさし」がないので、性能や個性を推し量るには比較試聴が一番だ。

      

それぞれに特徴があって、「2A3」アンプは強力なテレビ球による駆動だし、出力管「2A3」は数あるブランドの中でも定評のある「VISSEAUX」(フランス:刻印)だ。

一方、「6098」は名管「WE350」の流れを汲む「6AR6=6098」真空管の初期型(プレート部分が楕円形)だし、去る12月に回路の見直しと「クラロスタットボリューム」に代えたばかり。

まことに予断を許さない対決だったが、試聴の結果、Yさんは「2A3」アンプ(画像左側)の方に軍配を上げられた。

「2A3アンプは元気が良くて音に生気が漲ってます。とても気に入りました。それに、耳に馴染んでいるオーソドックスな3極管の味わいが残ってます。何だか故郷に帰ったような安心感がありますね。それに引き換え、6098アンプはたしかにレベルは高いのですが、ちょっと通常の三極管とは違う異質の印象を受けました」

その一方、自分は「6098」アンプの肩を持ちたくなった。

「2A3アンプはどちらかといえば音が前に出てくるタイプなのでジャズ向きですね。クラシックとなると両方のスピーカーの間にステージ(舞台)が出来て奥の方で音楽が展開するのが理想ですが、6098アンプはそれに近い仕上がりです。」

結局、生に近い音を出す「オーディオ的な音」と「音楽的な音」のどちらをとるかということで意見が分かれた。

Yさんが辞去された後で「6098」アンプのもっと違った側面がありはしないかと前段管を模索してみた。

このアンプはインターステージトランスが入っていないので、前段管次第でコロっと音が変わるのだ。

   

左から「6SL7GT」(シルヴァニア)、「CV569=ECC35=6SL7GT」(STC)、「ECC35」(ザイレックス=ムラード?」

この順番に球の背丈が違っていることにお気づきだろうか。

じっくり聴いてみると、まずシルヴァニアは音に深みが無く、ただいたずらに騒ぎ立てるだけでまったくの論外だった。

そして、これまで使ってきたSTC「CV569」と、新たなムラード「ECC35」とは同じイギリス勢同士の「いい勝負」だったが、よりイギリス風の渋い品の良さが加味されたという点で「ECC35」の持ち味を買った。

しかし、とても微妙な差でプリアンプやスピーカーが代われば評価も変わってきそうだ。

最後に、今回試聴したスピーカーは一貫してグッドマンの「トライアクショム」(口径30センチ:同軸3ウェイ)だった。



「おそらくコーン紙が軽いせいでしょうか、音の素早いスピード感に驚きました。トライアクショムって凄いスピーカーですね」と、感嘆しきりのYさん。

これまで、このSPを聴きこんでいるといつも途中から「AXIOM80に代えてくださいと仰るのだが、この日ばかりはまったくの様変わりで、ようやく(トライアクショムの)実力をご理解していただいたかな(笑)。

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